里山フィールドミュージアムの湿地に手を加えて様々な種を植栽した中で一番うまくいっているのがアサザのようです。急激な増殖力を見せわずか2年で植栽した池を覆い尽くしています。水草の増殖力に舌を巻きますが、ツボにはまると奇跡が起こるのです。ところでアサザはかつては低地の沼などにはごく普通にあった水草だったそうです。私が植物に慣れ親しみ始めた頃にはもうその面影はなく、絶滅危惧種扱いされるほどになっていました。事実県内で自生している個体を見たことがなかったのです(実際は自生いている池に足を運ばなかった)。農薬を使わないで昔ながらの環境維持をしていると絶滅危惧種が復活するということを身をもって体験しました。
アサザもヒルムシロも水草としては同じですが、花景観を作るにはアサザの方が圧倒的に好まれます。ヒルムシロは害草でアサザは貴重種扱い。ここで見ていると、アサザの猛威はかつては人から嫌われたのではないかとさえ思えてきます。それはそうとここは公園ですからアサザの繁茂はありがたい誤算で、新潟県内ではこれほどのアサザの群落は見られないと思います。隣接する池にも進出する気配ですから、近いうちに丘陵公園の里山はアサザの里などといわれるかもしれませんね。早朝の花景観は見事ですよ。この花の花期は長くこれから秋まで楽しめます。午後にはしぼみ始めますから、午前中ですね。