森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ショウブ

2013年06月23日 | 自然観察日記
「いずれアヤメかカキツバタ」。アヤメかショウブかひとしきり話題になる季節ですが、本物のショウブのが目につきましたから取り上げてみたいと思います。ショウブはショウブ科でアヤメ科ではありませんから世の混乱がちょっと滑稽ですね。ショウブは端午の節句で「菖蒲湯」に利用する薬効のある草本で、地域によってはこの葉をヨモギの葉と共に軒に飾る風習があるそうです。厄除けですね。

ショウブ 花

2013年06月23日 | 自然観察日記
これが本物のショウブの花です。ご存知の方も多いのでしょうが、説明すると驚きをもって受け取られる方がまだまだ多いですね。世に「菖蒲園」というのがありアヤメの仲間をたくさん展示していますが、これはいかがなものでしょうか。「アヤメ園」なら許されるのですが・・・。ノハナショウブという種があってこの葉がショウブに似ているために「ショウブ」という言葉が使われるようになったのでしょうが、ノハナショウブの方に先にふさわしい名前が付けられていれば今の混乱はないのでしょうね。昔は「花を見る」ことより「薬」の方が大切なことだったのでしょう。薬になる植物が最初に市民権を得たと考えています。
花はサトイモ科の特徴をした形質を有しています。緑色の先端が雌しべの柱頭、周辺の黄色ものは葯です。仏炎苞は持ちませんがミズバショウの花と同じ構造になっています。