ツチグリの仲間にツチガキと名が付く種があり、これはヒナツチガキといいます。菌の様子から「栗」より「柿」の方があっているようですから一般名はツチガキのほうがよさそうです。キツネノチャブクロなどの腹菌類の一種で中央の穴から雨粒などが当たると胞子が舞い上がります。小さな色白の菌で比較的湿った雑木の混じった杉林などの林床に見られます。
ツチガキがいた脇にはスッポンタケの幼菌が見られました。まるで何か動物の卵のような姿で地面に転がっていました。(実際は地中の菌が地表に作ったもので細い菌束でつながっています)「蛇の卵」と思う人が多く、キノコの一種と知るとその驚きがきっかけでキノコの世界に興味をもたれる一つの引き金になるかもしれません。「卵」を割ると中には小さな菌が収められています。この真ん中の白い部分が急速に伸びて高さ15cmくらいになり、その頭部に緑がかった灰色の胞子を成熟させます。なかなか強烈なハエが好む臭いがして、嗅いだ人は決まって顔をゆがませます。白い部分は食用になるとのことですがまだ経験はありません。外側の厚い膜は弾力がありこんにゃくみたいな触感があります。