森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

八石山散策 不動滝

2013年11月29日 | 風景
これからしばらくは柏崎の八石山(はちこくさん 518m)の植物を取り上げます。10月の半ばの山歩きでした。
八石山は丘陵公園に繋がる山域でもありそれほど離れている場所でもないので、今までほとんど気にも留めずにいました。機会があってこの山で自然観察をすることになりガイドを依頼されたのです。登って驚きでまさに「燈台下暗し」。素晴らしいの一言でした。すぐ南には黒姫山という少し高い山があり、ここには観察に出かけた経験があります。カエデ類の多い山という印象を持っていましたから、八石山もそれに準じた植相だろうと勝手に判断していて特段興味深いものはないのではないかと考えていました。
今回は柏崎の不動滝があるところからの入山で、縦走し小國側のステーキハウスに出るルートを歩きました。不動滝は小さいながらも滝が持つ独特の魅力に満ちた存在で先を急がないのであればもう少しゆっくりと鑑賞していたい滝でしたね。

尾根に生育するブナの林

2013年11月29日 | 自然観察日記
標高はそれほどないのですが稜線に出るまではなかなかの急登です。尾根筋は同じようなピークがいくつもあって登ったり降りたり山頂までが結構長い感じです。もっとも、植物の観察をしながらの歩きで、それほど距離がないのに時間ばかりが過ぎて結局山頂には行けずじまい。手前のピークで断念。昼食後、小国側のステーキハウスに降りるコースを進ましたが、このコース転げ落ちそうな急傾斜でルートの半分くらいに設置されている命綱にしがみついての下山でした。
それはそうと尾根筋にはブナの樹が沢山あって気持ちの良い散策です。大木あり株立ちありでまたそれらと共存する様々な種で解説する材料に事欠きませんでした。

尾根にある株立ちのブナ

2013年11月29日 | 自然観察日記
このブナの樹は根元から何本も幹が出ていて明らかに伐採され萌芽して生じた株です。秋田で見た「あがりこ」です。人の手が加わっている証拠です。この山域の全てがいわゆる二次林で自然林はまずないと考えていいでしょう。二次林でもそう頻繁に人手が関わっている場所でなく、それなりの海抜もありますから自然の作用などで独特な植生が成立していると感じました。