森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

キハダ 実

2013年11月28日 | 自然観察日記
キハダの実は晩秋まで残っている木の実の一つです。比較的高木になりますから葉が落ちてしまっても実の存在に気づかない人が多いのです。色彩も災いしてか枝ごと落ちた実も地面では目立たずその存在に気づかないこともしばしばあります。この絵は地面に落ちていた実を写したものですが黒い色をしています。もっとも最初から黒いわけではなく緑色から次第に変化してきます。葉があるころは緑色で、葉がなくなるころには黒くなり、それがまとまって落ちてくるという感じでしょうか。
この実、潰してみると独特の香りがします。柑橘の香りです。このことからキハダがミカンの仲間だとわかります。なんとなく意外な気がしますね。私もこのことを知った時はちょっとした驚きでした。昔の話ですが・・。したがって、カラスアゲハなどアゲハの仲間の食草にもなっているそうです。アゲハ蝶の仲間にはミカン科の植物を食草にする種が多いのです。


キハダ 樹肌

2013年11月28日 | 自然観察日記
高木は葉や花・実などを間近に見ることができない場合が多いので、樹肌を見て判断することがあります。樹の樹肌を見極められると大変便利ですが、そうなるには少々訓練を必要としますね。それでも時間をかければかなりのものが見えてきます。
キハダの樹肌は幾分灰色がかっています。コルク層が発達し、縦に浅く広く裂けた状態になります。しかし、これは老木で若木はぬめっとしていますから雰囲気はまるで異なります。皮を剥いでみると内皮は鮮やかな黄色で、この部分はとても苦く漢方の胃の薬に利用したり、染料に利用しています。