地元の人は「床わらび」といって鉢植えで楽しまれる方がおおい種です。お正月の飾り物に良いのかなかなかの人気です。小さなシダ植物で湿り気の多い林下に生育しています。一株見つかるとだいたい近辺には多数自生しています。経験的に旧棚田跡に植栽された杉の林と雑木林や農道など環境が変わるエリアで出会うことが多い気がします。
丸いつぶつぶは胞子を入れる袋、胞子のうです。このつぶつぶの配置も一つの美的意識をくすぐるのか鉢物にすると「形」になるとのこと。日本人が好む美意識の対象です。シダ植物には花はありませんからこの袋の中で無性的に胞子を量産し同じ遺伝子型の子孫を作ります。しかし、卵細胞を作る時期もあって有性的に子孫を作る行為もあります。それは、この胞子が発芽した個体(有性世代)の中で起こります。もちろん雄の生殖細胞(精子)も出来受精して新個体を形成します。とはいってもこの胞子が発芽して生じる個体(配偶体)は小さく、他のシダ植物では観察したことはありますが、フユノハナワラビの配偶体は見たことがないですね。シダ植物の世界も奥が深く私はほとんど知らない世界なのです。