ガレ場にはチシマギキョウの花も見られます。ホタルブクロ属の仲間で横向きか幾分下向きに咲く花です。似た種にイワギキョウがありますが、今回の登山では気づきませんでした。山頂部に近づくにつれガスも湧きあまり長居をする雰囲気でなかったこともあって、また歩いたルートはごく限られていましたから出会いそこなったという感じです。きっと近くに自生しているはずです。それはそうと、チシマキキョウは結構毛深いイメージで記憶しているのですが月山の個体は毛の少ないタイプなのでしょうか?。花だけ見ているとイワギキョウに間違えそうになります。しかし、わずかでも長い白い毛が見えますからチシマキキョウなのですね。
葉はイワキキョウに比べ幅広で鋸歯が鋭い感じがしません。この種は決まって岩と岩の隙間に芽生え風を除け踏まれてもダメージのないような場所を選んでいるようです。日当たりがないといけませんから、最大の敵は上を覆う木本や高径草本なのでしょう。
横向きに咲くというチシマキキョウですが咲く直前までは上を向いています。この後横を向くという劇的な変化を起こすわけですが、そのメカニズムはホルモンの分泌による茎の細胞の伸長の差でしょうが、何がその引き金になっているのでしょう。