森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

オゼコウホネ

2014年09月23日 | 自然観察日記
今回の目的はこのオゼコウホネ。オゼコウホネの花の季節に合わせて案内しました。とにかく貴重な種で、ここと尾瀬以外には存在しない水草です。水草ですから生活できる範囲は極めて限定的でこの池が無くなれば生活する場所がなくなるということになります。非常に厳重に保護されている感じで、個体群の中忍になる大きな池に行く道があったようですが現在は閉鎖されて行くことはできず遠目からオゼコウホネの生育状態を見るにとどまります。しかし、その上の小さな池には展示用に移植をしたのでしょう、木道から覗ける位置に花が見られました。

オゼコウホネの花

2014年09月23日 | 自然観察日記
里山の水系にはコウホネが普通に見られた時代は昔の話。それでも、きれいな水の流れる山手の小川などに自生していますが、このコウホネと何がどう違うのか?一見したところ同じで区別ができません。決め手は葉が浮遊葉で水上葉は作らないことのようですが、目の前の個体では正直判別できません。なぜなら、コウホネも若い個体は水上葉を作らず浮遊葉しか見せないことがあるからです(水中葉はあります)。下の大きな池に群生する個体群を見ればはっきりするのですが・・・。

オゼコウホネが生育する小池

2014年09月23日 | 自然観察日記
私の推察ですが、木道脇のこの池は展示用にオゼコウホネを移植したのではないでしょうか。この池の数十メートル下にははるかに大きな池がありオゼコウホネが大きな群落を作っています。ここを厳重に保護したいために登山道を閉鎖し、移植した・・。その池のオゼコウホネ水上葉が一枚もありませんからコウホネとの差は明らかです。
実は弥陀ヶ原にはこういう池はたくさんあるのですがオゼコウホネが見られる池は2ケ所。下の池と移植したと思われるこの池だけなのです。命名のもとになった尾瀬地域のことは分かりませんが似た状態ではないかと思います。貴重な存在ということがそんなところからも伺えます。