森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ヒナザクラ

2014年09月11日 | 自然観察日記
小さな可愛らしいサクラソウです。東北地方の主に日本海側の高山の雪田湿原に特産するといわれるヒナザクラ。月山にもしっかり自生していました。雪田湿原というとハクサンコザクラを思い出すのですが、今回登ったルート上ではこの花には出会えませんでしたが、その代わりにヒナザクラに出会ったというわけです。といってもあまり雪田湿原の雰囲気がない場所でどちらかというと水はけのよさそうなガレ場。もっともここは残雪が多く、霧などにもよくおおわれる場所でしょうから水分条件には事欠かない場所なのでしょう。

ヒナザクラの花

2014年09月11日 | 自然観察日記
サクラソウの花弁は一見10枚に見えますが、花弁には大きな切れ込みがありますから実際は5枚が基本です。しかし、この花は花弁が4枚。希なヒナザクラの花を写していたら稀な4枚花弁の花に遭遇。ちょっとした奇跡です。やや不鮮明ですが雄しべも4個のようですから4数性の個体なのでしょう。「花弁は少ない方に進化している」という京大のT先生の言葉を思い出して、この個体はヒナザクラの中でも先を行く個体なのだと考えてしまいます。

ヒナザクラの葉

2014年09月11日 | 自然観察日記
月山のヒナザクラは大きな群落を作っているというような感じではなく小さな集団でほかの植物の間隙をぬって生活をしている様子。花がつかなければどこに住んでいるのか皆目見当もつきません。開花して花茎をたどっていくと、葉は現れます。根生葉で数枚かたまっていました。