弥陀ヶ原の駐車場。雄大な下界の眺望を楽しもうと縁に寄った時に、そこから続く斜面に黄色い花の大きな塊がありました。キオンの群落でした。先入観があってキオンは低海抜の里山の花という認識でしたからキオンというのはすぐに思い浮かんだものの「何だろう?」と戸惑いました。キオン以外に思いつかなかったので私の知らない新しい種なのかなぁ・・・としげしげと見つめればますますキオンです。断定するには少々心もとない状態でしたから、その場はうやむやにして置きましたが後で調べれば間違いなくキオン。こんな高山にも生育するのだという認識を初めて持ちました。垂直分布の広い種がいくつもあるわけですからそれと同じ生態をしている種とすれば簡単なことなのですが、先入観というのがあるとこれを修正することがなかなか難しいものだと実感しました。科学は先入観を持ってしまうと大きな過ちをしてしまうものです。
里山では林の縁の草付にある程度の塊になって生育していて他の高径草本と共存している景観になっていることが多くのですが、ここではほぼ純群落になっていて他の種との混在は見た範囲では気づきません。比較的荒地に近い場所でしたから先駆植物的な能力も持ち合わせている種のように思いました。