もう一種ツツジ科の低木があります。夏の盛りには岩棚などに赤い実を鈴なりに見せることで印象的なアカモノです。7月は花の季節、薄ピンクの釣り鐘状の花がたくさんついていてとても美しい。木道沿いの林の縁や裸地などで群生している姿を見ると実に心地よいものです。この種もどちらかというと高山種ではなく亜高山帯から下、深山性という印象です。乾燥した場所が好きなようですがときどきかなり湿り気のありそうな場所でも目にします。山里の棚田周辺にもよく見られますから分布範囲は結構広そうです。
アカモノはシロモノ(シラタマノキ)と対比してつけられたようです。シラタマノキはあまりシロモノとは言いませんが、アカモノはよく使われます。逆に、あまりイワハゼといわないのはどうしてでしょうか。アカモノの果実はほとんど味がありませんが、シロモノの果実はサロメチールの薬ぽい味で食べる対象ではありません。