日本海側高山に生育するベニバナイチゴですが栂池自然園でも至る所にで見られました。花の季節に訪れましたから見ごろの花もたくさん。キイチゴ類のなかで唯一白い花ではなく赤紫色。ユニークな存在です。藪状態で生育しますから繁茂した場所は踏み込むことが困難になります。他のキイチゴ類と違って棘がないので気になりませんから、かき分けながら前に進むことはできます。昔々、飯豊の大日岳の片に野営した時にこのベニバナイチゴと格闘したことを思い出します。
花の季節から半月後に再び栂池に訪れたときに見つけたベニバナイチゴの実です。7月下旬ですからまだまだ若い状態。もう一月もすれば赤く熟します。それにしても、この果実、かなり貧相です。子房が膨らんでいる雌しべは数えるほどで、結局受粉しなかった雌しべがまるで毛のように花卓についています。昨年はポリネーターの活躍が不十分だったようですね。