森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

エゾイラクサ

2015年08月03日 | 自然観察日記
アサノカエデがあった場所は「たまだの滝」というところで、少し大きめな川に滝からの小川が交わるよになっていて橋が架かっていました。橋から川岸をのぞき込むと見慣れないイラクサ科の花が咲いているのが見えました。橋を降りて自生している場所には簡単に行けそうにありませんでしたから、カメラを望遠にして記録写真を撮りました。持ち帰って写真を調べて、これがエゾイラクサであることが分かりました。

エゾイラクサの花

2015年08月03日 | 自然観察日記
葉が細いこともあって全体スマートな草姿です。ミヤマイラクサやムカゴイラクサを見慣れていると強く感じます。新潟県内にも限られた場所に見られることが分かりましたが、今まで出会ったことがないか気づかなかったということです。県境の深山や高山地域に採集記録がある一方、阿賀野川河口近辺で記録があったり、弥彦山塊にもあることが分かりました。採集記録は多くはありませんが、特異な分布をする種として注目されます。
エゾイラクサは北地ではごく普通で山菜に利用したり、繊維は丈夫であるため縄をなったり織物にも利用したことがあるのだそうです。なかなかの優れもののようです。