何回も尾瀬地域に足を運んできたとはいえど5年ほどは1~2回程度。それも沼山峠方面からで、尾瀬ガ原を歩くのは本当に久しぶりです。それに、6月の尾瀬ヶ原は過去に1度経験がある程度です。今回の尾瀬散策で最大の感想は「乾燥化が著しく進んだ」ということです。その主たる原因がこのヤチヤナギにあるようです。かつてはミズバショウの花が延々と続いていただろう場所には花の季節は過ぎていたとはいえほとんど見られず、代わりにヤチヤナギの低木が延々と広がっているという風情です。まだ芽生えたばかりのヤチヤナギですが、やがて一面を緑の葉で覆い尽くすことになります。
木道脇のヤチヤナギを写しました。どうやら雄花の様で、葯がたくさん見えます。ヤナギの仲間は雌雄異株ですから雌株は別に存在しています。樹高せいぜい50cm程度でスゲ類やミズゴケ類を中心にした湿地に根を下ろしています。ヤチヤナギが生育する場所には水路は見られず、水際の好きなミズバショウは生育することはできません。