シダ植物の眼力が劣っているため見つけられないのか、あまり出会えない小型のシダ植物です。中心にあるのが胞子葉です。まだ未成熟なので胞子の形成は認められません。しかし、6月頃には完成し夏には地上部が枯れるのだそうです。
奥裾花自然園の入口当りの裸地に近い環境にヒロハハナヤスリの群落ができていました。他の植物が少ないこともありとてもよく目立ちます。こういう環境でないとなかなか気づきません。根茎はあまり発達しない種らしいので互いに地下茎でつながっていることはないと思います。偶然ここに飛散してきた胞子が発芽成長しているのでしょう。
植物ではありませんが散策路脇にあった池にクロサンショウウオの卵塊がありました。小さな卵塊が産み落とされてそれが時間とともに給水しアケビの実のような形状になります。多くの個体が同じ枝にうまく産み付けたものです。いったい何匹の雌が産卵したのでしょうか。