丘陵公園の花湿地には展示用としてヒツジグサが植栽されヒツジグ。すでに開花が始まっていて例年になく早い開花です。ヒツジグサという名前の由来は「未の刻」に開花することからといわれています。未の刻は今でいう午後2時になります。
実はこの時期は開花は午前中から始まりお昼の12時ころにはほぼ出そうろう感じになります。なぜそういうことになるのか分かりませんが夏の8月ころは確かに開花は2時ころになっています。気温(水温)の関係ではなさそうで、おそらく光の周期が関係しているのでは推測していますが納得いく説明ができません。5月6月は長日期間、7月8月は短日期間に入っていきます。開花タイミングのスイッチを入れる仕組みを研究すると面白いことがわかるかもしれません。
ヒツジグサは日本のスイレンです。尾瀬などに見られる水草ですから山野草の好きな方はよくご存じだと思います。公園の池などに外来のスイレンを入れて大繁茂している光景をよく見ます。在来の水草が生育できないくらいの繁茂ぶりでかなり困っているところも多いようです。しかし、ヒツジグサが大繁茂して困ったという話を聞きません。在来の種は大人し目です。しかし、アサザと一緒にすると生育を抑制するようでアサザはあまり生育できません。中央の切れ込みが入った葉がヒツジグサでその奥の葉がアサザです。ほかの場所ではアサザの葉が水面を埋め尽くしているのにこの場所はこのように水面が広々と広がっています。
丘陵公園の花湿地の売り物の一つがこのアサザです。いくつかの池を覆いつくすように咲く黄色い花はあまり他では見ることのできない景観です。このアサザも5月6月は午後になっても時に夕方近くになってもまだ開花していることがあります。普通は6月後半から咲く習性があるのですが温暖化のせいでしょうか開花は早くなってきています。また、朝は気温が上がる8時9時ころから開花してきますが日中の気温があまり上がらないと午後の遅くまで花が見られるという感じです。したがって、ヒツジグサとアサザが一緒に見られるという面白い現象が6月の上旬・中旬に見られます。夏の暑いころはアサザは午前中の開花で終了し午後はしぼんでしまうからです。アサザがしぼんでヒツジグサが開花するというのが夏の景観になります。