海岸から奥山まで日本海側の湿った崖などにはよく見られる大型のカヤツリグサです。よく生育しているものは1m以上になります。人によってはタヌキランと区別せず個体変異の範囲と考えている向きもあるようです。私は分類の詳細は不勉強で分かりませんが、タヌキランより大型で日本海側に分布するものという理解で使用しています。
先端の花穂は雄性でその下の雌性の花穂は大きく2~3個付いています。この花軸は長く時には1ⅿくらいになります。長岡付近の人は昔から笹団子などを作る風習がありますが、これを作るときのひもにスゲ紐の代わりにこれを利用するのだと聞いたことがあります。確かに長く丈夫ですから十分に代用できると思いました。
調べてみると、コタヌキランという種がありました。この種はブナ帯以上の高山帯などに見られるもののようです。区別は大きい小さいではなく、果穂の雌小穂が有柄か否かという点ですからかなり差異があります。タヌキランとオオタヌキランはあまり区別する必要がない種のように思えてきました。