今まで見ていた「ボロニア」はピンクの壺型の花でしたから、たまたま目にしたこの「ボロニア・オージースター」、「これもボロニア?」と興味を引きました。私の経験では4枚の花弁はアブラナ科の花というのがこびりついていますから、4枚花弁のボロニアと壺型ではないボロニアにはちょっとした驚きなのです。世界にには実にいろいろな種が存在しているのだなぁと、自らの知識のなさを思い知らされますね。で、これはミカン科なのだそうです。自分の知るミカン科の花はどれも5数性ですから4数性の花もあることをはじめて知りました。
大陸からの移入植物、カラタネオガタマの花です。西日本など暖地では庭木にされるということですが、花を見たのは初めてです。モクレンの仲間です。匂いがあると想い鼻を近づけるのですが、なぜかこの株に咲いている花は匂いを感じません。その場はそれ以上気にもせず、「匂いのないモクレンだな」と想った程度なのですが、調べてみると「バナナの匂い」がするとあります。???私の鼻がおかしかったのかなぁ・・。室内で栽培していると匂いが作られにくいのかもしれません。
トウダイグサ科の花は何度みても不思議でまた難しいものです。これはハナキリンというお馴染みの花ですが、雌しべが中央にその周りに雄しべが見えます。それはそれで納得はしますが、その周辺にあるくぼみのある5つの黄色のものは何でしょうか?最外部の桃色のものは花弁ではなくがくです。そうするとこの黄色のものは花弁ということになるのですが、実はこの割れ目からたくさんの蜜が出てきます。つまり、これは蜜腺なのです。
目にも鮮やかなトケイソウの花、今回はしべに注目です。花を上から覗ぞいてみるとなかなか面白い構造が見えてきます。雌しべは1本ですが先端は3分裂し柱頭は3つ。雄しべは5本。3本に分かれた雌しべは雄しべの間に伸びているのですが、雄しべが5本のため2-2-1という配置になっています。もう一本あると収まりがいいのになぁ・・・。あいにく双子葉類には3数性の花はありませんから、こうなることはいたし方ない現象なのでしょうか。ちぐはぐさがあっても両しべが重ならない当たりも面白いですね。さらに、柱頭も葯もみんな内側(下方)に向いています。花冠にもぐりこんだ鳥か昆虫が出入りするときに受粉がしやすくなるような仕組みなのでしょう。上手くできています。
毛糸のぼんぼんのような丸い花序。種名は不明ですが、雰囲気はタデ科植物ですね。そういえば、ヒメツルソバという帰化植物がありますが、葉はこれに似ていました。ふわふわ感はありませんが花序は似ています。もうすでに花は終わって種子を成熟させている期間のでしょうか。
この種のように花をボール状に配置して受粉を促す仕組みのものも沢山あります。一つの花がそれぞれ独立しているものから、集団で全体を一つの花に見立てて花の配列や配置を工夫しているのもまで植物界の変化は幅広いものです。もちろんこの方向に進化していると考えられていますから、花序形成するほうが有利な面があるのだと思います。しかし、どのスタイルがもっとも優れているのか・・・今の私には分かりません。
この種のように花をボール状に配置して受粉を促す仕組みのものも沢山あります。一つの花がそれぞれ独立しているものから、集団で全体を一つの花に見立てて花の配列や配置を工夫しているのもまで植物界の変化は幅広いものです。もちろんこの方向に進化していると考えられていますから、花序形成するほうが有利な面があるのだと思います。しかし、どのスタイルがもっとも優れているのか・・・今の私には分かりません。
穂状花序の花がありました。ホザキランタナという別名を持っているナガホソウの花序です。花は下から順に上に向かって咲いていくようで目下真ん中辺り。上まで行くのにかなりの日数が要るようですね。一斉に花を咲かせるというよりも、少しずつ花を咲かせて長い時間を使って種子を作っていくというスタイルのように見えます。東南アジア原産のようで、当地では雑草なのだそうです。年中生育には問題がない気候ですから、こういうスタイルのほうがいいのでしょう。上に向かって伸びるために無限花序の一種になります。
若い葉が展開してくる様子も興味深いものです。小さなものがそのまま大きくなってくるものがあったり、二つ折りになって伸びだしその後展開したり、あるいはこのオオタニワタリのように巻き込まれていたものが伸びてくるものなどがあります。かなりしわしわに折りたたまれているのが伸びてくるのもありますね。昆虫の翅が展開するのにも似ています。当たり前と言えば当たり前なのですが、自然の巧みさを感ぜずにはいられません。
カタクリばかりではありません。コシノカンアオイも大木の周りに出来た雪穴で花を見せています。春の里山は残雪の上を自由に歩きまわれるのがいいですね。雪も締まっていますから、スノーシューもいりません。長靴のまま縦横無尽に歩けます。ただし、小川などが流れている窪地は下が空洞になっていますから決して踏み込まないことです。地形を読んで散策するととても面白い体験が出来ます。
雪上の散策をしているとウサギが飛び出しました。もう夏毛が生え始めた個体で、逃げた方向を目で追っていくと、急に動きがなくなって回りに同化してしまいました。近づいていくと小さな雪穴に身を潜めている姿がありました。半分白く半分茶色の体色は、この時期にはいい組み合わせのようです。雪穴に潜めば簡単には見つかりません。なかなかいい適応の姿です。ただ、小心者のウサギは一定の距離になると動くために見つかってしまいます。
丘陵公園のカタクリ群落地は例年にもまして雪が多いのですが、群落地に点在する高木の周りは雪穴が大きくなってきました。この辺りの園路上の積雪は35cmから70cm。下部の園路は80cmから100cmでGW時でも残雪を見ることになるとおもいます。園路の除雪を始めては見たものの、積雪が多すぎて延期になりました。上手くいって4月15日に間に合うかどうかですね。
残雪が数十cmあっても大木の雪穴にはもうカタクリが芽を出し、まさに咲こうとしていました。嬉しいですね。今日は4月4日。明日晴れれば開花となるのでしょう。群落地全体の雪消えはずっと先ですが、誰より先に花を見れるというのはかなり贅沢な幸せです。
残雪期で都合のいいのは緩斜面ならどこでも歩けるということ。困ったつる植物を切るにはこの季節は適しています。クマヤナギもつる性の植物ですが、この個体は切らずに観察用に保存しておくことにしました。
これは昨年花を付けた花序ですが枯れているわけではありません。リョウブやヤマウルシなども同じようなものが枝先に見られますが、クマヤナギは一見枯れ枝状態に見えますがしっかりと生きています。よく見ると、黒っぽい枝ですが緑色も確認できます。
これは昨年花を付けた花序ですが枯れているわけではありません。リョウブやヤマウルシなども同じようなものが枝先に見られますが、クマヤナギは一見枯れ枝状態に見えますがしっかりと生きています。よく見ると、黒っぽい枝ですが緑色も確認できます。
花序の先端についているぼつぼつを拡大してみました。どうみても枯死した果実の後のように見えますね。ところが、春とともにこれが膨らんでくるのです。やがて青くそして赤く最後は1cmほどの黒く熟した実になります。それも初夏7月頃。なんと今年の花も咲く頃で花と実が一緒に存在するといった面白い現象が見られます。
里山フィールドミュージアムの開園は目下古民家のみ。後はまだ深い雪に覆われていて見るべきところがありません。そういう時期ですから、山作業は雪上を渡ってクズやフジの蔓きり作業をしています。そんな中、動物の足跡が雪の上に沢山あるのですが、見慣れない足跡を発見しました。ほぼ直線的に付けられた比較的大きな跡です。ひづめが2つに分かれていますから、偶蹄類の足跡ですね。大きさからカモシカです。