森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ミタケスゲ

2014年09月25日 | 自然観察日記
高山の湿原に現れるカヤツリグサをもう一種。ミタケスゲです。ミカヅキグサよりは分かりやすい種でしょうか。イガイガの果穂が特徴的ですから見つけやすいし覚えやすい種です。この種は結構混み合っている場所にも見られますから空間的競争にも耐えれれるようです。

ミヤマリンドウ

2014年09月24日 | 自然観察日記
高山の湿原に小さいけれど宝石のように青く輝く花がミヤマリンドウでしょうか。見過ごしてしまいそうな存在ではあるけれど草原に散りばめられた青い花はまるで夜空の星のようです。個人的にはこの景観がとても好きで心を惹かれます。同行者がいなければもう少し時間をかけてこの景観を楽しみ味わうのですが、とりあえずカメラに収めることにしました。しかし、決して目にした感動をそのままカメラには収まらない花ですね。現地へ行って実際に観る以外には方法がありません。

ミヤマリンドウの花

2014年09月24日 | 自然観察日記
よく間違えるのにタテヤマリンドウがあります。花といい環境といいよく似ています。慣れれば問題がないのですがそれまでがなかなか難しいですね。花をよく見ると黒い斑点のようなものがミヤマリンドウにはありませんがタテヤマリンドウにはたくさんあります。ざっくり言えば「ごま塩」状態がタテヤマリンドウです。

ミヤマリンドウの葉

2014年09月24日 | 自然観察日記
花より葉の方がわかりがよいかもしれません。根元が見えればロゼット葉があるかないか。あればタテヤマリンドウです。それ以上に分かりやすいのが。葉の開出です。茎にペタッとくっついていればタテヤマリンドウで茎から離れ反り返っているのがミヤマリンドウですね。

オゼコウホネ

2014年09月23日 | 自然観察日記
今回の目的はこのオゼコウホネ。オゼコウホネの花の季節に合わせて案内しました。とにかく貴重な種で、ここと尾瀬以外には存在しない水草です。水草ですから生活できる範囲は極めて限定的でこの池が無くなれば生活する場所がなくなるということになります。非常に厳重に保護されている感じで、個体群の中忍になる大きな池に行く道があったようですが現在は閉鎖されて行くことはできず遠目からオゼコウホネの生育状態を見るにとどまります。しかし、その上の小さな池には展示用に移植をしたのでしょう、木道から覗ける位置に花が見られました。

オゼコウホネの花

2014年09月23日 | 自然観察日記
里山の水系にはコウホネが普通に見られた時代は昔の話。それでも、きれいな水の流れる山手の小川などに自生していますが、このコウホネと何がどう違うのか?一見したところ同じで区別ができません。決め手は葉が浮遊葉で水上葉は作らないことのようですが、目の前の個体では正直判別できません。なぜなら、コウホネも若い個体は水上葉を作らず浮遊葉しか見せないことがあるからです(水中葉はあります)。下の大きな池に群生する個体群を見ればはっきりするのですが・・・。

オゼコウホネが生育する小池

2014年09月23日 | 自然観察日記
私の推察ですが、木道脇のこの池は展示用にオゼコウホネを移植したのではないでしょうか。この池の数十メートル下にははるかに大きな池がありオゼコウホネが大きな群落を作っています。ここを厳重に保護したいために登山道を閉鎖し、移植した・・。その池のオゼコウホネ水上葉が一枚もありませんからコウホネとの差は明らかです。
実は弥陀ヶ原にはこういう池はたくさんあるのですがオゼコウホネが見られる池は2ケ所。下の池と移植したと思われるこの池だけなのです。命名のもとになった尾瀬地域のことは分かりませんが似た状態ではないかと思います。貴重な存在ということがそんなところからも伺えます。

コバギボウシ

2014年09月22日 | 自然観察日記
花が少なくなってきた弥陀ヶ原、歩き始めてすぐに目についたのが青い花でした。コバギボウシです。ヌマガヤが繁る湿地の中に小さな群落があってそこにたくさん花をのぞかせていました。里山のコバギボウシとほとんど同じに見えてしまうのですが、ショウジョウバカマ同様垂直高度の適応範囲が広い種のようです。タチギボウシという種を分ける考えもあるようですが変異の範囲で捉えています。

コバギボウシの花序

2014年09月22日 | 自然観察日記
花付がいい個体ですね。花がたくさんついています。草丈60~70cmはあるのでしょうか。木道の上から覗き込んでの撮影ですから株元の位置はかなり下。大型の個体が多いようです。(小さな個体もありそうですが草陰になって分からない?)
夏の暑い季節は涼やかな青い花はいいものです。渡る風と共に一時の清涼感を味わった一時になりました。同行者も大いに満足です。

オオカサモチ

2014年09月21日 | 自然観察日記
今年は月山弥陀ヶ原に二度行くことになりました。二度目は約1月後の八月上旬。今度はガイドをしながらの散策です。先月来た時とはかなり様子が変わっていて、雪解け直後の花の季節からやや落ち着いて風が爽やかに吹き抜ける夏の高原といった風情です。あいにく今回も山頂部は雲がかかり眺望はいまいちですが、庄内平野や日本海の方はよく見えます。外科医はかなり気温が上がっていた日でしたからヌマガヤが生い茂った弥陀ヶ原の湿原地帯はさわやかそのものでしたね。
大型のセリ科植物が目を引きます。一見シシウドに似ていますがどっしりした草姿はオオカサモチという種です。山地帯から高山帯に生育するとなっていますが、あまり見かけない種です。もっとも奥山で出会っていたかもしれないのですが認識していなかった可能性があります。

オオカサモチの花序

2014年09月21日 | 自然観察日記
オオカサモチの散形花序です。だいたい大きさは20cmから30cmと大型。白い花火が炸裂したようです。これがいくつかついているわけですからそのボリュウムは圧巻です。もっともすべての散形花序が一斉に花期を揃えることはありませんから全体が白い花の塊になることはなさそうです。

スギカズラの胞子嚢

2014年09月20日 | 自然観察日記
胞子嚢(のう)というより「胞子嚢穂」といったほうが正確です。まだ固い嚢で胞子が飛び出すには早い段階。内部でじっくり熟しているのでしょう。教科書的にいえばこの胞子を形成する中で2種類の胞子(大胞子、小胞子)ができるそうで、それが雄と雌に相当します。目に見えないところで不思議なことが進行しているのですね。

スギカズラ

2014年09月20日 | 自然観察日記
スギカズラというシダ植物。針葉樹林帯の林床で見ることが多いのですが、月山では山頂近辺の低木帯の林床に観られました。シダ植物は精通していませんからコメントは控えめですが、山を歩いてみてそれほど多い種という感じではなく、私も気づいたのはかなり久しぶりです。頂に胞子嚢がついていましたから目に留まった次第です。ヒカゲノカズラに似ていますが、枝分かれがないところで見極められます。

ミヤマキンバイの花

2014年09月19日 | 自然観察日記
ミヤマキンバイもたくさんありましたが朝早いのとあいにくの霧などで十分な光が当たらないせいでしょうかまばゆいような花景色が展開していません。ところどころにようやく目覚めたという風情で黄色の花を見せていました。バラ科キジムシロの仲間で葉を除けば低山で見るミツバツチグリやエチゴキジムシロと間違えそうです。とはいっても葉の光沢は特徴的で多種と間違えようがないですね。そういえば高山にはキンポウゲ科の花でよく似たものがいくつかありますね。ミヤマキンポウゲなどはその最たるものですが、花弁の光沢のあるなしで判断できます。