森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

コブシの樹冠

2016年04月16日 | 自然観察日記
見上げてもまだ枯れ枝でしかありませんから何か不明かもしれませんが、目を凝らすと枝先に花芽が付いているのが分かるのです。公園にも大きな樹はありますが、それでもせいぜい径60cm。格が違います。花が着くと圧巻だろうとは思いますが木々に埋もれて多分知られていないのではと感じました。分布的にはこの太平洋側はコブシ、日本海側はキタコブシが生育し一応区分するようです。

白河の関跡 カタクリ群落

2016年04月15日 | 自然観察日記
福島県南部の白河市にある白河の関跡とそれに隣接する白河関の森公園を訪れました。小高い丘は白河神社が祀られていて一帯が巨木の森になっています。白河の関は今はその痕跡はなく、神社の入り口当たりが跡という話です。実はこの森は地元ではカタクリの大群生地として知られていて実によく整備されています。分布する面積は越後丘陵公園の里山フィールドミュージアムには劣るかもしれませんが、まとまった生育地は丘陵公園のカタクリ大群落斜面より圧倒的に広く個体数も多いようです。

整備された林の中のカタクリの群落

2016年04月15日 | 自然観察日記
あいにく花の季節にはわずかに早く葉が展開し始め一輪二輪と花がある程度。暖冬といえどやはり東北、関東圏とは異なるようです。小さな落ち葉が積もって入るものの灌木類がまるでありません。越後のカタクリの風景とはこんなにも違いうのかと少々驚きました。

カタクリの大群落

2016年04月15日 | 自然観察日記
やや分かりにくいのですが一面に葉が出てきていて盛期には素晴らしい景観ができるのだろうと思いました。これは3月26日の状態ですから4月の頭には見ごろになったと思います。それにしても丘陵公園には当たり前にある低木類がまるでないのが異様な感じです。

コシノコバイモ

2016年04月14日 | 自然観察日記
棚田跡の法面にコシノコバイモを見つけました。数株が生育していて周囲には見当たりませんからもともとの自生ではなさそうです。小さいために気づくのが難しいのですが一度目に留まると案外周囲には生育しているもので数株の群落ということはまずありません。湿り気の多い半日陰の傾斜地で出会います。

コシノコバイモの花

2016年04月14日 | 自然観察日記
ユリ科の花ですから内花被片外花被片がそれぞれ3枚ずつ。花がうつむきのため内部を写すのが難しいのですが、絵の真下にある花被片の内側にやや緑色をしたものは蜜腺です。地味な華でありながら結構人気のある花です。いかにも山野草という雰囲気を持っています。

ウラジロヨウラク

2016年04月13日 | 自然観察日記
ウラジロヨウラクといってもこの段階では何のことか分からないでしょうか?黄色い膨らんだ芽を持つ灌木がそれです。ツツジ科の花は結構早く咲き始めます。ミツバツツジほど早くはありませんが、ウラジロヨウラクもこの芽が成長すれば花と新葉が同時に展開して赤紫色の釣り鐘状の花を見せるようになります。

ザゼンソウ

2016年04月13日 | 自然観察日記
ザゼンソウも少数ながら植栽されているところがあって順調に生育していました。関東県などではもう終わっていることでしょうが、雪国は十日町小唄に「梅も桜もみな開く・・」と唄われているようにいろいろな種が一斉に咲くという面白い地域です。春は花の爆発が起きるのですね。

ユキツバキ

2016年04月12日 | 自然観察日記
越後にいれば見慣れているユキツバキ。里山の至る所に自生していて時には大きな群落を作っています。雪国植物園にもまとまった群落が維持されています。園の入口左手の一角が篤志家が寄贈したというツバキの園芸種の見本園が作られているのですが、これはれっきとした自生種。わずかに気の早い株のいくつかの花が咲いている状態で、まだ見ごろには時間が必要です。

ユキツバキの花

2016年04月12日 | 自然観察日記
ヤブツバキとの違いをときどき質問されます。花が咲いていれば話は簡単で花糸の色を説明します。黄色がユキツバキ、白がヤブツバキ。それに、花糸は合着して筒状になるのがヤブツバキ、ユキツバキは深く根元まで分離しています。

ユキツバキの樹形

2016年04月12日 | 自然観察日記
ユキツバキの生育する範囲が極めて限定的で一定の積雪量の範囲に限られるとされています。したがって越後では海岸はヤブツバキ、内陸にはユキツバキとごく狭い範囲で見事にすみわけをしているのです。高海抜地域にはなく低山丘陵帯に生育するという極めて特異的な生態をしているのですが、そこに生活する者にとってはごく普通の存在です。雪国の植物は多くが雪に対する適応をみせます。ユキツバキも他の雪国仕様の低木が見せるように茎のしなやかさがあります。概して茎は這う形状を示します。直立するヤブツバキとの大きな差異でもあります。
ところが、話はそんな単純ではなく結構個体差があったり、ヤブツバキとの雑種として扱われるユキバタツバキと名づけられた個体が主に両種の接する
地域に多いと言われます。ユキツバキといわれても環境によってはヤブツバキに近く立ち性になると思われます。