森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

テイショウソウ

2017年02月12日 | 自然観察日記
耳慣れない種名が鉢に添えられていて細長い茎の先に花が咲いています。花を見れば、キッコウハグマやオクモミジハグマの仲間のようです。調べてみると分布はごく限られていて、関東から関西、四国あたりまで自生するキク科多年草。滋賀県では絶滅したらしく千葉・奈良・三重・高地などでは絶滅危惧種に指定されています。新潟では晩秋ではキッコウハグマを見かけますが、これを細長く大きくしたような感じの種でした。

テイショウソウの苞

2017年02月12日 | 自然観察日記
12月も半ばのこと。室内の栽培という環境のためかまだつぼみがあります。このグループのつぼみは細く長いものですが、テイショウソウは特にその長さが際立つようです。苞葉は数枚で少なめです。

イソギク

2017年02月11日 | 自然観察日記
学生のころ伊豆半島の海岸の崖で観たイソギクです。自生は伊豆諸島や千葉、静岡の海岸あたりですから日本海側にはありません。自生地の記憶ではまさに雑草のような雰囲気で岩場などに生育していたように記憶しています。それに、栽培は比較的容易であるらしいのですが、なぜそれ以外に生育地が広がらないのかが不思議です。種子を作って発芽し増殖するというより根茎で栄養繁殖するような性質が強いのでしょうか。

イソギクの花

2017年02月11日 | 自然観察日記
花は遅く咲き11月頃がピークでしょうか。富山県中央植物園に訪れたのは12月の中頃。まだまだ生き生きとした花が咲いていました。舌状花がない頭状花を咲かせます。ここだけ見ていればセンダングサとあまり変わらないようなのですが、葉がなかなか趣のあるけいもので、裏が絹綿状の細かな白い毛におおわれています。海岸の強い紫外線などに適応した形質と考えられます。

ガガブタの殖芽 ①

2017年02月10日 | 自然観察日記
サンライトホールにつながる高山絶滅危惧植物室にはいると最初に目についたのがガガブタの殖芽。ガガブタのみならず水草は殖芽というものを作って越冬するものがあります。もちろん花を咲かせ種子を作り子孫を作ることはできるのですが、無性生殖の一つとして水中の休眠芽というところでしょうか。ガガブタの殖芽は初めてで貴重なものを目にすることができました。

ガガブタの殖芽 ②

2017年02月10日 | 自然観察日記
ガガブタの花は子供の頃に用水に咲いていたという記憶を持ちますが、最近自然界ではとんと姿を見ません。花びらの細かなデザインが印象的な花でとても美しいものす。多くの水草がそうなのですが、農薬の影響や環境の変化で現在は絶滅危惧種に指定されている種です。そういう貴重種ですから簡単に自然界で見ることができないのは当然なのでしょうが、近隣に生育しているのならせめて丘陵公園の里山の一角に保存し繁殖させたいと思う次第です。

フサタヌキモの殖芽

2017年02月10日 | 自然観察日記
殖芽つながりでもう一例。
これは、丘陵公園で昨年確認された絶滅危惧種のひとつのフサタヌキモという水草の殖芽です。食虫植物のタヌキモの仲間であまり捕虫のうを作らない種のようですが、詳しい生態は目下観察中というところ。越冬の様子を確認するために水から出して撮ったものです。何層にも巻いた葉が中心の芽を保護しているような小巣がうかがえます。陸上植物の冬芽の水中版というところでしょうか。注意深く観察を継続し保護増殖に努めていきたいと考えています。

富山県中央植物園

2017年02月09日 | 自然観察日記
長い冬。長岡は白銀の世界が続いています。籠っているのも少し飽き飽きしたこの頃。ブログを更新するためにも外に出たい気分です。出かけた先で見つけた植物の生き様を取り上げたいのですが、もうしばらくはお預けのようです。そこで、先日出かけた富山県中央植物園でいろいろ学んだ外国産のものを取り上げることでしばらく時間をつぶしたいと思います。とはいっても新発見が多く地元の植物を理解するうえで参考になることも多くあります。決して無駄な時間でもなく、この季節だからこその一時かもしれません。世界は広いですね。あまりにも未知のものが多く理解していくには果てしないものがあります。

珪化木 ゼノキセロン

2017年02月09日 | 自然観察日記
植物園の入口サンライトホールの奥、高山絶滅危惧植物室の入口に展示してあった大きな珪化木です。直径1mはあろうかというもの。いわゆる化石の一種で、地中に埋没して長い時間の中で植物組織が珪素の化合物に置き換わったものです。ゼノキシロンといわれるスギに似た針葉樹という説明がありました。しかし、この珪化木だけではどういう形態をした針葉樹なのか不明で今のスギの形状を当てはめられないということだそうです。なかなか綺麗でこのまま置物としても十分価値がありそうな石でした。

もう一つの珪化木

2017年02月09日 | 自然観察日記
珪化木は珪素の化合物、主に二酸化珪素が主のようですが固く石炭の採掘時にも出てきて厄介扱いされるものなのだそうです。多くの石炭は樹木が炭化してもの。珪化木は石炭になり損ねたものということができそうです。

チョウジギク

2017年02月08日 | 自然観察日記
こういう環境には必ずと言っていいくらい出現するチョウジギクです。浅い山にはありませんからチョウジギクを見るには奥山の渓谷を目指さないと無理でしょう。妙高山山麓の惣(そう)滝の散策道は十分この条件に当てはまっていてところどころに見られました。形状がユニークですから花はそれほど目立つものでないししろ印象に残ります。

チョウジギクの花柄

2017年02月08日 | 自然観察日記
チョウジギクを特徴づける最大のものはこの花柄でしょうか。柔らかい毛でびっしりと覆われています。なぜこのような形質が必要なのでしょうか?多くの種の花柄は長い短いはあってもごくシンプルなもの。不思議です。

テンニンソウ

2017年02月07日 | 自然観察日記
花の咲いている時期にテンニンソウを観る機会があまりなくこの時は凄く久しぶりの気がしました。若いころの春の弥彦山塊を散策したときは棒状に枯れたものが点々とあって何かわからず悩んでしまったり、秋蓮華温泉の森におびただしいほどの群落があって圧倒されてしまった経験がありますが、これがいずれもテンニンソウであると知ったのは暫く後のこと。まとまって生育することが多い種ですが惣(そう)滝の道は場所がないせいかごくごく小さな生え方です。