咲き終わった花ですががくの色が深紅に色づいています。花弁がない分この色が遅くまで残っていて全体的に風情のある存在になります。散った後にその存在を際立たせるというように見えなくもない性質。不思議ですね。
チョウの種類が分からなかったので、通りがかった地元のガイドさんに聞いたところコヒョウモンという答えが返ってきた。確かに大きさは小さ目です。ヒョウモンチョウの仲間はいろいろ種があり文様で区別するのですが、この種は大きさで判断できそうです。山地性の習性があるそうで特に弥陀ヶ原では多い個体のようです。ワレモコウやシモツケソウなどに来ていましたが、この個体はアキノキリンソウに吸蜜に来ていました。
なつっこいチョウが時々いるものですが、ベニヒカゲが私の靴に止まりました。今までの経験で指に止まったり帽子に止まったりするチョウがいましたが、フレンドリーなわけでもありませんからおそらく汗の匂いでも嗅いで塩分補給でもしたいのではないでしょうか。ベニヒカゲは亜高山以上にいるまさに高山蝶、いろいろな山で出会いました。このチョウに出会うと高山に来たなぁと実感できる瞬間です。
長い冬ごもりが続きます。この期間の話材が途切れがちになりますから、まだ載せていない前年の素材で繋いでいきます。実は、昨年夏個人的にどうしても訪れなければならない場所がありました。それは十二年ぶりになる立山です。2泊3日の日程を都合してようやく実現したのですが、天候に恵まれず思いの半分も実現できませんでした。とは言っても区切りもつけた山旅にはなりましたし、いろいろ観てきたものも多くあります。春までそれを思い出しながらブログを続けていくことにします。
初日は、立山の西側に広がる広大な溶岩台地である弥陀ヶ原を歩きました。何とか取れた宿弥陀ヶ原ホテルを起点に周辺を散策です。室堂からはかなり離れているとはいえ海抜2000ⅿほどの高原地帯。いろいろな植物に出会いました。遠くに池塘もたくさん見られました。限られた時間内に動ける範囲はそれほど大きくありません。整備された木道を一周したのみで規模の大きい池塘群の脇を歩く登山道のコースには行きませんでした。それでも、小さな池塘群があり生育している植物を見ることができました。
1周2kmくらいでしょうか。弥陀ヶ原ホテルを起点にした自然観察の木道のコースが作られています。ササ原が多いのですが、ところどころの湿地や裸地などには興味深い種がたくさん見られます。
明日からこれらを一つ一つ取り上げていきます。
明日からこれらを一つ一つ取り上げていきます。
ハーブ園と思われる一角は季節的に展示されている花がほとんどなく枯れたり抜かれたりしていましたが、目立ったのがこの花。植栽され展示されているものばかりでなく花壇から逸出してタイルの割れ目などからも成長していてかなりの暴れん坊のようです。クロモウズイカという名板が片隅にありましたから、正体は分かりましたが初めて見る種でした。
ビロウドモウズイカという樹か植物が荒れ地などにはびこっていますが、クロモウズイカはこの仲間のようです。モウズイカはおしべに毛があることから「毛蕊(しべですが「ずい」と読む)花」というのが命名の由来のようですが、クロモウズイカはこの毛を含め全体に黒っぽいことから「黒毛蕊花」なのだそうです。ビロウドモウズイカは時々観ますが、花の大きさがかなり違いますからクロモウズイカと同じ仲間とはなかなか思えません。
ビロウドモウズイカとは毛の多さなどでかなり違います。モウズイカは薬草として欧米から入ってきたもの。気管支炎など風邪の薬として効果があるといいます。http://blog.goo.ne.jp/img/static/admin/editor/btn-entry.gif
中国式庭園内に咲いていたホトトギスです。西表島にも自生があるそうですから一応在来種。しかし、山形では異質な種です。付近にもあるかもしれないホトトギスのように花は開出しない仲間ですが、ホトトギスが液性なのに対してタイワンホトトギスは茎に頂生することが特徴です。ここで見たホトトギスは紫斑が多いのですがもっと少ないものあります。園芸用にたくさん栽培されています。
比較的大型のホトトギスで1ⅿ弱くらいはありました。やや大ぶりの葉です。ホトトギスが山形に自生しているかは不明ですが雑種を作りやすい可能性がありますから気を付けたいところです。もっとも、今では自生するホトトギスは見かけません。(新潟には自生していません。ヤマジノホトトギスはあります)