この種は太平洋側の種ですが、庭に植えると種子などが飛んで結構増えていきます。鉢で栽培している方を見かけますが、いろいろな鉢に飛んで生育していました。葉に毛が多くあることも特徴でビロードタツナミともいうのだそうです。
門の脇に大きな樹があり黒い実をつけていました。なんとヤマコウバシの大木です。常識的には落葉低木で今迄の経験では径が5㎝程度で5mにもなれば立派という印象ですが、Iさん宅では径が20㎝以上樹高10mまではないかもしれませんがそれに近い感じがしました。少なくともこの種にしては驚愕の大木の気がします。ときかく変わった樹です。クスノキ科のクロモジ属に属する種です。ヤマコウバシをみるのは冬季に関東圏で散策するときです。枯れ葉が落ちないでそのまま存在していますからすぐに分かります。結局落葉するのですが新葉が展開する頃になります。
ヤマコウバシをみるのは枯れ葉状態の姿でした。果実を観ることができたのは幸運です。ところでこの種は雌雄異株だそうです。そのうち日本には雌株しかないのだそうで、雄株がなくても結実し出来た種子は発芽し成長するそうです。まさに単為生殖。遺伝的にはすべて同じクローンの個体ということになります。こんな植物他にはあったでしょうか?
県内では見られないシモバシラが茂っていました。本来ならば立性の種ではなかったかと思いますが、狭い場所に密生していて倒れた状態で開花していました。特に見せるための花壇として整備してあるわけではなく自然に任せているようです。主に関東から西の分布で冬季枯れた茎から霜柱が発生することはよく知られていることです。この霜柱を「氷の華」というのだそうです。新潟に住んでいるとこの現象にはなかなか出会えません。
オオマルバノホロシというナス科の多年草です。北陸から北の地方の低地や山地の湿地に見られるとされる比較的まれな種です。数年前に日光の東大植物園で開花中の個体を観ることができました。今回はまだ青い実が目立つころの実の季節の姿です。新潟県内にも記録はいくつかありますがあまり平野部の湿地環境を歩かないためかいまだに野生状態のものに出会っていません。Iさん宅ではこの種も湿地環境でないような場所に根付いていて小さな薮になっていました。