山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

レアな石仏発見

2017-11-20 21:08:37 | 石仏・石造物

 昨日の散策会で奥山の集会所の隣にいくつかの石造物が目立たないようにあった。

 いちばん背が高い板碑には、「徳満院・涼風・道閑・居士位」と戒名が印刻してある。

 順番に、「院号」=社会貢献した人に与えられる、「道号」=仏道を修得した人の呼び名、「戒名」=仏の弟子になったことを表す、「位号」=性別・地位・尊称、の4つに分けられる。

  これらの刻印からきっとこの石碑のかたは地域で尊敬された有徳の男性に違いない。

 寺院にとっては、葬式とこの戒名付与が残念ながら、寺院経済=葬式仏教の基盤ともなっている。その高い経費に不満と怒りをたびたび耳にする。僧侶はそれを当たり前として受け止めているのだろうか。

 

      

 その隣には、右に「明治34年10月再建」、左に集落名の「下茶組中」の刻印がある石像が佇んでいた。こうした童女の僧形石仏は今まで見たことがない。石仏の写真集でも見当たらない。

 道祖神なのか、安産=豊作祈願観音なのか、馬頭観音なのか、わからない。

 いかにも民間信仰らしく庶民的で好感が持てる石仏だ。

 

      

      

 さらにその隣には、六地蔵が並んでいた。廃仏毀釈を免れたのだろうか損傷はほとんどないが、苔むして持ち物や表情はわかりにくい。

 集落が無くなる存亡の危機にある地域の現状をお地蔵様はどのように見ていらっしゃるだろうか。貧しいけれでも生活できたむかしの山暮しから比べると、今は集落そのものが成立しなくなる危機にある。それで豊かな地域・豊かな人間が形成されているというのだろうか。

 宗教の在り方はもちろん、政治も自治体もマスメディアも人間も、新たな「ルネッサンス」が求められていることを痛感する。

 

 

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山道の杉枝を片づけながら

2017-11-19 18:47:56 | 旅行・散策

 日本の中央で近代林業の中心地だった浜松市龍山の散策会に行く。

 地元の楠さんが今ではあまり利用していない昔の通学路に焦点を当てた開発コースだ。

 そこに散策の看板を立てたり、山道をふさいでいた杉枝をどけて当日を迎えた楠さんのボランティア精神に頭が下がる。

 

     

 林内の薄暗い「通学古道」は、間伐もされず下草もない現状に日本の林業の実態を見る。したがって、土砂崩れも少なくない地域ともなっている。

 

 親子三代にわたって石垣を積み重ねながら茶園を作った場所が「瀬尻の段々茶園」だ。

 平地のない山間地は石を集めて少しでも平地を作ることから暮らしが始まるという。

 その典型の藤原さんの家が直下にあり茶工場も作動している。

 高低差が100mもあるこの石垣の端には「野猿」と呼ばれる「索道」で道具や収穫物などを稼働させているのが見える。

 

                  

 「通学古道」のてっぺん付近で、瀬尻国有林を水源とする不動沢から落差32mもある「不動の滝」に出る。巨岩を縫う姿と音とが雄々しい。

 滝を見上げる橋の背後には天竜川と天竜美林の絵となる眺望を堪能できる。

 

 滝の下付近には210段の階段もある遊歩道があり、紅葉を愛でながら歩いていく。

 あまりにもみずみずしい滝と紅葉と空気のせいか、突然詩吟を吟ずる参加者がいた。

 「通学古道」を生かした観光ツアーも企画できないものか、役所は残念ながら当てにできないから、こうした民間からの一歩が大切だと痛感する。説明のための写真パネルも用意してくれた楠さんの思い入れが光る散策会だった。

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北京紅芯大根を収穫した

2017-11-18 20:25:35 | 農作業・野菜

 防寒のためビニールトンネルを掛け始める。

 試しに数本収穫してみたら蕪だと思っていたのが「北京紅芯大根」だった。外観は白く蕪そのものだ。しかし包丁で切ってみると真ん中が見事に赤かった。それでやっと「北京紅芯大根」の種を撒いたことを思いだす。

 

              

  収穫した「北京紅芯大根」を甘酢漬けで食べたところ大根のシャキシャキ感があり、充分うまーい。

 初めて作った品種だが失敗だらけのオイラにしては成功確率はいいような予感がする。

 これからの収穫が楽しみだ。まずは防寒作業に専念しなきゃね。

 隣の畝にはドイツの「紫大根」が同じように生育しているが、これは人参のような赤い大根で収穫は12月半ばに入ってからのようだ。  

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初霜降臨す

2017-11-17 21:02:17 | 風景

 朝起きると外がまぶしい。霜が一面に降臨していた。

 「ノラボウ」の葉には霜の紋がはっきり見えた。

 

           

 茶畑はうっすらと霜小僧が上のすべての葉に手を付けている。いよいよ寒さとの本格的な格闘が始まる。

 

      

 ブルーベリーにもニンニクにも霜が公平に降りていた。

 昨日、和宮様のご下命により「ノラボウ」のビニール掛けをしたばっかりだったが、それがしっかり大当たり。ノラボウの葉は無事だった。

 他の作物の防寒もあるのであわてて竹を伐り出した。ビニールトンネルは強風突風には脆いのが今までの例なので、竹の葉を利用しようというものだ。

 大空は雲一つない紺碧の秋の空。

 

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原木ナメコは市場に出ない

2017-11-16 19:42:10 | 食彩・山菜・きのこ

 寒さがじわじわやってくると、原木ナメコが一斉に蠢動する。

 数年前に植菌したほだ木からあの愛らしい姿が叢生する。

 

               

 シイタケと違って地面に接しながら栽培するので、どうしても収穫はゴミがついてくる。このゴミをいかに除去するかが最大の手間となる。

 

    

 冷たい水を放射しながらゴミや泥を取ったり、包丁で汚れた軸を切ったりしてきれいにしていく。

 うららかな天気なら気分はいいが、きょうのような強風や寒風が吹き荒れるとブルブル震えながらの作業となる。したがって、このため市場には出回らない。

 

    

 和宮様が視かねて手伝ってくれたので早めに完了することができた。

 これを汁物に入れると滑らかな歯触りが快感だ。ついつい食べ過ぎて下痢気味になる。

 ヌメリは胃の粘膜を保護するというが食べ過ぎは有効ではありません。

 

    

 洗ったナメコをジッパーに入れて冷凍庫に保存すれば好きな時に利用できる。

 大根おろしや鍋物に入れてもうまい。これからしばらくおつきあいして楽しませていただきまーす。 ちなみに、市場に見られるナメコは99%菌床栽培なのだ。   

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雑草の海からメロンか!?

2017-11-15 21:12:53 | 農作業・野菜

 この雑草の海の中に宝物があるはずだ。

 自称村上水軍の落ち武者武兵衛は、雑草の海に進軍する。

 なかなか目標には到達しない。そりゃそうだ、幸せは向うからこないからだ。

 

        

 すると、メロンかと見まごうばかりのカボチャを発見。

 ツルをたどっていくと10個ほどのカボチャをゲット。

 そういえば、今年はカボチャの種をいっぱい撒いたにもかかわらず一つも芽が出なかった。直売所で苗を一株だけ購入して裏畑に定植したのだった。

 

       

 草刈り機を振り回すとカボチャを傷つけてしまうので、少しづつ進軍して草刈り機を止める。そして、鎌でツルの先をたどっていく。その繰り返しが幸せの近道なのだ。

 本来なら、親ヅルを摘芯したり追肥したりの手間が必要だが、ぐうたら落ち武者は大地に丸投げしてしまったのだ。だからどこに実があるのか雑草の上下を探索することになったわけだ。

 たいしたもので、カボチャは「ぐうたら氏」の仕打ちにもかかわらず見事に結実してくれた。ありがたい。裏切らない誠実さに合掌。

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柿酢づくりに挑戦

2017-11-14 20:24:31 | 食彩・山菜・きのこ

 カキノヘタムシの被害もなんとか収まり、次郎柿も毎日のように食べられるようになる。今年は生り年のようなのでいっぱい収穫した柿で「柿酢」を作ることにする。

 

               

 無農薬なので虫や病気の傷跡が半端じゃない。傷んでいるところを取り去り皮ごと瓶に入れる。もちろんこのまま食べてもじゅうぶん美味い。

 柿の皮には発酵菌がついているので洗わないで汚れを布で拭き取るだけ。

 

           

 瓶は消毒してから柿を投げ込む。水も酢も入れないで柿だけ入れこむ。

 「シンゴジラ」のテレビ映画を見ながら包丁を使っているので注意が必要だ。

 

           

 柿を全部入れたら瓶の上にはリードで被せて輪ゴムで止める。

 数か月後には布巾で濾す予定だ。柿酢は、高血圧予防、抗酸化作用、ポリフェノールでさらさら血液等々、その健康効果が注目されている。カリウム量は黒酢の3倍、ワインの60倍のポリフェノールが含まれているという。

 近所には熟れた柿が食べられることなく秋の風物詩となっているがじつにもったいないことになっている。オイラの少年時代はよその柿を盗み採りながらおやつにしたものだ。

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知事の「近代文明の誕生」論

2017-11-13 20:33:14 | 読書

 川勝平太静岡県知事の書いた『近代文明の誕生』(日本経済新聞出版社、2011.4.

)を読む。論旨と展開が明解でわれわれ素人にわかりやすく解説してくれる。

 先進国中華帝国が世界を牽引しているなか、イスラム圏に遅れていたヨーロッパのキリスト圏が地中海の攻防で勝利したことでイギリスなどの近代文明の誕生の礎石となったという。

 

               

 本格的な近代ヨーロッパは、「地中海」から「大西洋世界」へ飛躍することで世界を凌駕していく起点となる。知事はその過程を海洋史観から解明することが鍵だと提唱しているが本書にはさわりだけ。

 彼はまた経済史家らしく、紙・陶磁器・茶・大地・統計などの例をあげながら近代文明の功罪を明らかにしつつ、日本・イギリスの近代化を世界から位置付けている。

 

                  

 内容はエッセイや講演をまとめたものなので一貫性に欠けるが通説に挑むグローバルな視点はラジカルだ。

 現実政治の通俗的な世界に川勝知事が翻弄されることが心配だがしたたかに対応はしているようだ。 問題は彼が構想するプランを具体化する担い手が少ないことを憂慮するばかりだ。   

 

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サツマイモ・ショウガ収穫終了

2017-11-12 17:04:04 | 農作業・野菜

 残っていたサツマイモの収穫をやっと終える。

 天竜区の直売所で買った「シルクスイート」を蒸かして食べたらおいしかったので、苗をネットで注文する。

 大分県の生産者から取り寄せた苗だったが、苗の本数が少ないので連絡したがまったく返信がない。また、本体も注文していたが音沙汰がない。あまりに遅いので連絡したら天候の関係で遅れているとのこと。

 だったら、収穫が遅れているとの連絡をしてくれれば納得する。これほど誠意のないいい加減な生産者も珍しい。結局、送られてこないままわが家で育った「シルクスイート」が先に収穫となってしまった。

 

                     

 掘り上げたなかには山芋のようなサツマイモもあった。

 「シルクスイート」は収穫直後より貯蔵を経たほうが旨みが出るという。

 絹のような滑らかな食感があるというので、慌てないで貯蔵をしよう。

 

 さらにやはり収穫を残していた「ショウガ」も収穫をして終了となる。

 天候の関係か雑草の関係か、残念ながら合計の収量は半分もいかなかった。

 寒さが気になる季節の到来にあたって生姜やショウガパウダーの存在は貴重だ。

 午前中は、25日に主催する「里山コンサート」の打ち合わせを行う。

 

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開店してまもなくの蕎麦屋に行く

2017-11-11 20:12:54 | 特産品・モノ

 半年ほど前、天竜区春野町入口付近に進出した手打ち蕎麦屋に初めて行く。

 なかなか寄れるチャンスがなかったがやっと時間を作って手打ち蕎麦を昼食とする。

 そば切り「まるなる」という店だ。最近、テレビにも放映されたばかりだ。

 

            

 内装は以前の店を踏襲しているがライトに若干こだわりを見せている。

 客の入りはまだまだのようだが、若い主人は生まれも育ちも二俣だという。春野の自然が気に入ったようだ。

 

                

      

 蕎麦はこしがありうまい。これは春野ではナンバー1ではないかと思う。天ぷらも申し分がないほど素材の味を引きだしている。

 過疎にあえぐ地域の中で経営的に順調になっていくには困難な壁があるだろうが、ぜひ成功させたいものだ。そのためのウリとか戦略とかをもう一歩前面に押し出すのが必要だと思った。        

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