MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ジャージー・ボーイズ』

2014-11-01 00:09:19 | goo映画レビュー

原題:『Jersey Boys』
監督:クリント・イーストウッド
脚本:ジョン・ローガン
撮影:トム・スターン
出演:ジョン・ロイド・ヤング/エリック・バーガン/ヴィンセント・ピアッツァ/マイケル・ラマンダ
2014年/アメリカ

目を離すことができない「君」の正体について

 作品の冒頭からトミー・デヴィートがいきなりカメラ目線で話しかけてくる。その後も、ボブ・ゴーディオやニック・マッシも後を継ぐようにカメラ目線で語り始め、ラストではフランキー・ヴァリも加わって「ザ・フォー・シーズンズ」全員が自分たちの想いを語りだすという演出は、おそらくミュージカルの演出を尊重したものであろう。
 フォー・シーズンズというポップス・バンドの歴史が描かれている本作は、他のバンドと似たような歩みであり、それほどの驚きは受けないが、父親と同じようにシンガーになることを夢見ながら、自分よりも才能があるかもしれない娘のフランシーヌ・ヴァリが薬物の過剰摂取で亡くなり、悲しみに打ちひしがれていた時にフランキー・ヴァリがレコーディングした曲が「君の瞳に恋してる(Can't Take My Eyes Off You)」で、「君から目を離すことができない」というこの曲が早世した娘に、仕事で家を留守がちにして十分にかまってあげられなかった父親が懺悔の意味も込めて歌っているものだと思うと、さすがに涙を堪えられなかった。
 ところでフォー・シーズンズの曲はボブ・ゴーディオが作曲しており、作曲の才能があるからボブはフォー・シーズンズに加入することになったのであるが、フォー・シーズンズの曲のほとんどの作詞は「君の瞳に恋してる」も含めてゲイのプロデューサーであるボブ・クリューが書いていたことを後で知って驚いた。


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