MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『PERSONA3 THE MOVIE #3 Falling Down』

2015-05-12 00:19:41 | goo映画レビュー

原題:『劇場版「ペルソナ3」第3章(PERSONA3 THE MOVIE #3 Falling Down)』
監督:元永慶太郎
脚本:熊谷純
出演:石田彰/豊口めぐみ/鳥海浩輔/田中理恵/緑川光/能登麻美子/坂本真綾/緒方恵美
2015年/日本

「社会正義」よりも「内面の葛藤」にしか共感されない現状について

 舞台は2009年11月4日。主人公の結城理は「一人」で葛藤している。最初から他人と関わらなければ苦しむことなどないのであるが、既に多くの仲間がいて「シャドウ」たちと戦わなければならない。結城とアイギスの「乾いた関係」に転校生の望月綾時が積極的に関わってくる。それは伊織順平とチドリとの「熱い関係」に影響される。自分の命をなげうっても順平を救ったチドリを見て結城が望月との関係に積極性を持とうと思った矢先にラストを迎え、第4章へと先送りされる。
 戦闘シーンはもちろん修学旅行における露天風呂のシーンなど大胆なギャグも交えて最終章への準備は万全といったところだとしても、このように個人の「内面の葛藤」を巡るストーリーは若者に受けるからいいのであるが、押井守監督が『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』(2015年)で描くような「社会正義」を扱うSF作品が全く受けないのは気の毒としかいいようがない。


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