原題:『ドラえもん のび太の宇宙英雄記(スペースヒーローズ)』
監督:大杉宜弘
脚本:清水東
撮影:末弘孝史
出演:水田わさび/大原めぐみ/かかずゆみ/木村昴/関智一/井上麻里奈
2015年/日本
消化不良のメタフィクション的なアプローチについて
テレビのヒーロー番組『銀河防衛隊』に憧れてのび太が撮影に参加した理由の一つに、得意なあやとりをしてみせて子供たちに喜んでもらえていたという経験をしていたからであることは間違いない。子供たちにとっては糸で次々と物を生み出すのび太はヒーローなのであり、ドラえもんのひみつ道具『バーガー監督』でそれがおおごとになってしまったのである。
映画作品内で映画撮影をするというメタフィクション的なアプローチは「ドラえもん」というメジャー作品にとってはなかなか斬新だと思うが、それならばラストにおいてバーガー監督が映写している映像がそれまで映されていたのび太たちの活躍するシーンだったことが残念で、実はこんなこともあったという、『SUPER8/スーパーエイト』(J・J・エイブラムス監督 2011年)ほどではないにしてももうひと捻り施された映像であってもよかったのではないだろうか。