MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『名探偵コナン 業火の向日葵』

2015-05-17 00:25:24 | goo映画レビュー

原題:『名探偵コナン 業火の向日葵』
監督:静野孔文
脚本:櫻井武晴
撮影:西山仁
出演:高山みなみ/山崎和佳菜/山口勝平/小山力也/榮倉奈々
2015年/日本

作品と作者の人生を取り入れた大胆な脚本について

 敢えて日本でも人気のあるオランダの画家フィンセント・ファン・ゴッホの代表作『ひまわり』をモチーフにどのようなストーリーが展開されるのか楽しみにしていたのであるが、一点だけ指摘しておきたい。
 鈴木次郎吉によってニューヨークのオークションで落札された『ひまわり』を日本に空輸するために特別に編成された「7人のサムライ」と呼ばれる護衛隊の中に絵画修復士の東幸二がいるのであるが、彼には幸一という双子の兄がいた。2人はオランダの郊外で発見した2番目の『ひまわり』の模写の扱いを巡って対立し、幸二が幸一を拳銃で撃ってしまう。幸二を庇うために幸一は弟を現場から離れさせて一人で絶命してしまい自殺として処理されるのであるが、このエピソードは妻や生まれたばかりの息子をかかえて生活が苦しかったテオがそれでも金の無心をしてくる兄のフィンセントを拳銃で撃ったという「テオ犯人説」を反映したものである。作品だけではなくゴッホの人生をも組み込んだストーリーと相俟って、犯人の犯行動機の弱さが気になるとしてもそれなりに見応えのある作品になっていると思う。


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