原題:『イニシエーション・ラブ(INITIATION LOVE)』
監督:堤幸彦
脚本:井上テテ
撮影:唐沢悟
出演:松田翔太/前田敦子/木村文乃/三浦貴大/前野朋哉
2015年/日本
前田敦子の「昭和感」について
前半のストーリー展開や懐メロを聞いていたら、これは『モテキ』(大根仁監督 2011年)的な話なのかと思っていたら、最後になってこれは「モテキ後」の話なのだと納得した。
それよりも感心したのは前田敦子と「昭和」の相性の良さで、それは『苦役列車』(山下敦弘監督 2012年)で既に証明されていたことではあるが、本作においても前田は完璧に「昭和」を把握している。これは女優としての前田敦子の稀有な才能なのかもしれない。
『フォーカス』(グレン・フィカーラ/ジョン・レクア監督 2015年)において視点の柔軟不足を問題にしたが、本作では敢えて間違って観ていた方が面白いであろう。