原題:『スマホを落としただけなのに 最終章 ファイナルハッキング ゲーム』
監督:中田秀夫
脚本:大石哲也
撮影:花村也寸志
出演:成田凌/クォン・ウンビ/千葉雄大/大谷亮平/白石麻衣/井浦新/佐野史郎/真飛聖/猪塚健太/髙石あかり/原田泰造/田中圭
2024年/日本
剥製にされる理由について
それにしてもスマホを落としただけで国を跨ぐほどのどえらい話になったものである。ストーリーそのものは多少の荒さがあったとしても決して悪くはないのであるが、一見、見事に納まったように見えるラストのオチは間違っているのではないかと思った。何故ならば主人公の浦野善治は自分の母親に似ている富田麻美を剥製にするためにプロの剥製師のチョン・ハクソンに依頼するなど緻密な手筈を整えているのであるが、スミンは浦野のように剥製に対する強い思いを持っているわけではない。スミンの父親が浦野に似ている場合に限り浦野が剥製にされる理由が生じるのだが、浦野とスミンを虐待していた彼女の義父のチェ・ヨンジュンが似ているようには見えなかったところが惜しいと思う。剥製になった浦野の顔はあれで良かったのだろうか? ギャグのように見えてしまった。 スミンはあの顔の浦野を愛せるのか?