国立新美術館では「ジャコメッティ展」が催されている。以前、「近代彫刻の父」とされている
オーギュスト・ロダン(Auguste Rodin)から派生した、「肉感的」な彫像を特徴とするヘンリー・
ムーア(Henry Moore)と対比する感じで「ガリガリ」な彫像を特徴とするジャコメッティを
論じたのだが、それ以上のことは今回の観賞でもってしてもよく分からない。
(「頭部」 1959年)
(「歩く男」 1959年)
(「女性立像」 1959年)
どこからどう観ればその良さが分かるのかが分からないのであるが、大阪新美術館建設準備室の
「鼻」(1947年)に関しては分かったことがあった。
異常な鼻の長さを確かめるために横から鑑賞しがちなのであるが、この作品は寧ろ真正面から
見るべきである。鼻の先端が顔の真ん中にくるように目を固定し、顔を微妙に動かせばまるで
3D映画のように鼻の先端が動くのである。