寮管理人の呟き

偏屈な管理人が感じたことをストレートに表現する場所です。

祖父の思い出

2007年05月05日 | 日記
癇癪を出して卓袱台をひっくり返す祖父の形相は鬼であった。些細なことで激怒する彼の気性が理解できなかったが、明治という時代に生まれて様々な修羅場をくぐってきたことは家族の誰もが認めていた。

機嫌のいい祖父が地元の「鯛網」のからくりについて話してくれた日のことを鮮明に記憶している。

『○さんよ~、あの鯛網ゆーんは大嘘じゃけーのぅ。網の下にな、色のわりーい養殖もんを入れておいて何も知らん客の前で引き上げるんじゃ。またその鯛をええ銭を出して買うもんがおるんじゃから…おもろかろうが』

とにかく酷い話だと思った。備後地方でも最も汚い言葉が飛び交うその漁師町がますます嫌いになった。小学校に上がる前の話である。テレビや新聞が報じる「多くの嘘」に振り回されるな、と教えたかったのだろう。

頑固な祖父のおかげで冷ややかな目ができ上がったのだ(笑)

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コメント
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