寮管理人の呟き

偏屈な管理人が感じたことをストレートに表現する場所です。

まぐろ仲買人 藤田浩毅(NHK プロフェッショナル)

2009年01月21日 | 日記
昨日、まぐろ仲買人の藤田浩毅さんのドキュメンタリー番組を見た。博打に近い取り引きに情熱を傾ける一人の男のドラマとしては面白かった。競りに関しても「産地と味を守る」ために有名産地以外で獲れた良質のマグロに高値をつける点は彼なりの美学と言えるが、問題点が多いのもまた事実である。

美味しいものにそれなりの値段がつくのは致し方ないにしても、庶民の目から見れば高過ぎると感じるだろう。一攫千金を夢見て漁師は命がけで高いガソリンや餌を使ってクロマグロを獲りに行く。悲しいかな、資源の枯渇は進む一方である。番組はこの点にあえて触れていなかった。

海外でマグロが広く食べられるようになり、国内の需要を満たすためには養殖マグロの助けを借りなければならなくなった。まことに皮肉な話である。そのうち養殖という響きが普通になるはずだ。

天然の魚は養殖よりも安全で美味しいということだけを強調する風潮はおかしい。養殖フグに関して言えば表皮に寄生虫がつかないようにホルマリンを使用しているので非常に危険だ、という幼児並みの意見が一部にある。これは合成着色料は人体に有害だが、天然着色料はまったく問題ないと発言するのと同じくらい乱暴な話だ。

天然魚の水銀およびダイオキシン含量についてあえて言及しないのは何故か。大々的に報道すると国民の魚離れが更に深刻になるからである。養殖よりも安全とは必ずしも言い切れないのが本当のところだ。

要は同じ食品を摂り続けずに色んな物をバランスよく食べることに尽きるのだ。それが安価であるのに越したことはない(笑)

にほんブログ村 その他日記ブログ ひとりごとへ