明治34(1901)年に完成した「台北賓館」。戦前は台湾総督の公邸として使われ、戦後から2006年まで一般には非公開だった。高い塀の外から建物上部の豪勢な造りをじっくりと観察した。
台北城東門(景福門)が北門とまったく異なる形状なので不思議だった(※戦後に作り直したものだと後で知った)。

横断歩道を渡って「中山南路」を北上し「済南教会」に至る。ここで初めて時計を見た。朝の集合時刻まで30分を切っている。

慌しくタクシーに飛び乗り再び英語で意思疎通を図った。しかし、行きと同じく鈍い反応だった。あっさり諦めた私はホテルの名刺を差し出した。漢字に優るものはないと閃いたのだ。
運転手は頷いてアクセルをベタ踏みした。日本ではまずあり得ない「ゴボウ抜き」を経験して目を丸くした。法定速度などあってないようなものである。荒い運転のおかげで私は遅刻を免れた。
