ロビーに集合した観光客は朝飯を食べに行くため大型バスに乗った。そしてホテルを出て5分もしない内に降ろされた。飲食店が建ち並ぶ市場は既に静かになっていた。現地の人間はあまりいない。24時間営業、セルフサービスの食堂は貸切状態になった。
私は粥の他に揚げパン、肉まん、豚の角煮、モヤシの炒め物などをお盆にのせた。前回の訪台でも朝はずっと粥だった。さらさらの粥に甘い味付けの肉でんぶを放り込んで食べるのがこちらの流儀である。疲れた胃袋には粥がいい。若干アンモニア臭がするピータンを箸で潰し豆腐と混ぜて食べる。私にとっては懐かしい台湾の味だ。
バスが迎いに来るまで市場をぶらついた。上野のアメ横をこざっぱりさせたような印象である。麺やフルーツジュースを売る屋台を覘いたが、腹は既に一杯で買い食いできぬのが残念だった。

