私が小学生の折、校門の前で派手な色に染めたヒヨコを香具師が売っていたものである。小遣いで買えるとあって私達はすぐに飛びついた。ヒヨコはすべて雄で1週間もしないうちに死ぬのだが、私が手に入れたものは間違って大きくなった。
最初の内は珍しいので小まめに餌をやっていたが、次第に餌が雑草や野菜くずに替わっていった。雄鶏は祖父の肩から禿頭に飛び上がって糞を垂れる芸をしばしば見せてくれた。不思議なことに癇癪もちの彼は「ほう、すっきりしたか」と言ってニコニコしていた。鶏は半年近く小屋で暮らした後親戚に預けることになった。
それから私は何度か鶏の様子を見に行っては親に「大きゅーなっとったで」と報告したが、ついにこの世から居なくなったことを知る。親戚が「鶏すき」にしたと聞き私は二度と生き物は飼うまいと決め現在に至っている。
最初の内は珍しいので小まめに餌をやっていたが、次第に餌が雑草や野菜くずに替わっていった。雄鶏は祖父の肩から禿頭に飛び上がって糞を垂れる芸をしばしば見せてくれた。不思議なことに癇癪もちの彼は「ほう、すっきりしたか」と言ってニコニコしていた。鶏は半年近く小屋で暮らした後親戚に預けることになった。
それから私は何度か鶏の様子を見に行っては親に「大きゅーなっとったで」と報告したが、ついにこの世から居なくなったことを知る。親戚が「鶏すき」にしたと聞き私は二度と生き物は飼うまいと決め現在に至っている。