広島市中区竹屋町界隈の変化

私が広島市（中区）民になったのは２３年前のこと。当時の竹屋町は東千田町の大学に近いこともあって賑やかだった。コスモ石油北側の「セブンイレブン広島竹屋町店」は一日中繁盛していた。

コンビニ横に「たこ道楽」という名のたこ焼き屋が開店したのはその年の秋だった。従業員のほとんどは大学生のバイトで大阪人が食べたら激怒するようなシロモノを平気で売っていた。稀に美味しいのに当たることがあったが、あれは関西出身者が作っていたのだろう。


御幸橋西詰通りから「広島ガス」方面を望む。バス停前に広島銀行のＡＴＭが出来ていた。この先に「タクシー専用の洗車場」があって晩になると大勢の運ちゃんが愛車の汚れを落としていたものである。

国道２号線沿いの「広島銀行竹屋町支店」が閉店してトヨタホーム広島になっている（建物はそのまま）。店舗の入れ替わりを無表情で眺めた私は昭和末期の活気はおそらく二度と来ないだろうと思った。

鶴見町の八百屋さんと立ち話

宝町のフジグランが解体されて周囲の雰囲気が大分変わったように感じた。私は鶴見町の八百屋で働く女性に声を掛けた。

「こんにちは。久々に来てびっくり、フジが建て替え工事中とは知りませんでした。確かこの近くに宝湯という銭湯がありましたよね？」

「銭湯はあそこにあったんよ。跡地が駐車場になってるでしょ」

宝湯が廃業して既に９年。銭湯好きの私は大学卒業後に２度ほど訪ねたことがある。営業開始時の湯はめっぽう熱いことで有名だった。番台に座ったおっちゃんが眠そうに小型テレビを見ていたのを覚えている。現在より長髪だった私は何故か洗髪料金をほとんど取られなかった。貧乏学生から毟り取る銭湯が多い中でここは数少ない例外だった。