寮管理人の呟き

偏屈な管理人が感じたことをストレートに表現する場所です。

台湾への旅(その8)

2009年06月16日 | 

「好きなものを選んで」

Rさんの言葉に甘えて私はスープとビーフンの炒め物を注文した。

「こいつを忘れちゃいけねー」

Tさんが頼んだメニューが「シジミのニンニク醤油漬け」。生っぽい身に甘辛い汁を吸い込ませた台湾の名物料理で老酒が隠し味になっている。体が温まったので紹興酒から台湾麦酒に切り替えた。

愚かな日本人は異国に来てまで「日本のビールがいっちゃんおいしいわ」と抜かすが、台湾の気候と料理に合う酒とは少し違う。やや気の抜けたような(弱炭酸の)軽い味わいの台湾麦酒は油ものとの相性が極めてよい。腹が膨れない点では日本製ビールよりもはるかに優れている。

「この麦酒はなんぼでも飲めるからいいよ」

「本当にそうですな。日本のビールではそうはいきません」

日本人が台湾麦酒を褒めて大笑いするとRさんが会話に入ってきた。

「辛口なところはちっとも変わってないのね」

「ええ。嘘のつけない性分でして・・」

私ははにかんでコップを空けた。

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台湾への旅(その7)

2009年06月15日 | 

私はKABAに夕食をキャンセルする旨を伝えた。彼女は不満そうな顔つきでこう言った。

「日本から連絡が入ってましたね。それは構いませんよ。ごゆっくり、どうぞ」

言われなくてもそうするつもりだ。大きなホテルに着いた時には既に暗くなっていた。ロビーで私を待つ旧友2人に気づき軽く会釈した。急いでチェックインして部屋に荷物を置く。無駄に広い部屋があてがわれていた。

ここからカモにされるツアー客とは別行動になった。友人らは台北のブルジョワ階級が利用するようなレストランに連れて行ってくれた。再会を祝して紹興酒で乾杯することにした。寒かったので燗をつけてもらう。

台湾人のRさんが湯のみにカリカリの梅干を入れて紹興酒を注ぐ。12年振りに言葉を交わすRさんは非常に元気そうで安心した。わざわざ日本から別ルートでかけつけてくれたTさんの厚意が何より嬉しかった。

まずはカラスミをつまみにして酒を酌み交わし、昔話に花が咲いたのである。甘い梅風味の酒が旅の疲れを癒してくれた。

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台湾への旅(その6)

2009年06月15日 | 

ショッピングセンター「New York New York」の前にはコンパクトな「自由の女神像」が建っている。中に入ってPCの値段を調査。日本よりやや割高だ。その後、周辺を散策して僅かな自由時間を楽しむことにした。

最も興味をひかれたのは生鮮食品とファストフードのコーナーである。台北では日本食がブームになっていた。刺身、握り寿司、豚カツ、丼ものなどを見て台湾人の「柔軟性」に驚いたのである。

再びバスに乗り、土産物屋に移動させられた。試飲した(高価な)烏龍茶はとてもおいしかったが、購入はしなかった。私の旅の目的は「無駄な買い物」ではなく、「自分の目に台湾人の生活スタイルなどをしっかりと焼き付けること」だったので(笑)

2007年の台北新都心

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台湾への旅(その5)

2009年06月14日 | 

大型バスは台北の新都心を目指して猛スピードで走る。最初の訪台から12年が経過し、街は大きな発展を遂げいていた。KABAは自慢げに語り始めた。

「あちらに見えますのが台北101。世界一の超高層ビルですよ。雨になったのがとても残念ですが、中で買い物を楽しんでくださいね」

台北101のエスカレーター

金を払ってまで展望台に行く気はなく、立派なエスカレーターに乗りブティックなどをちらっと見た。一風変わったトイレの配置が印象に残った。

ウインドウショッピングに飽きた私は101を後にして巨大な陸橋を渡り道路の向こう側に移動した。日本が経済的なダメージを食らい沈没しつつあるのとは対照的に台北新都心は「隆々とした勢い」を感じさせた。

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台湾への旅(その4)

2009年06月13日 | 

空港内で換金を済ませてから面白い土産を探したが眼鏡に叶うものは見つからず買い物は諦めた。待ちぼうけをくらった台湾人ガイドはむくれ顔である。飛行機が1時間遅れた上にカモの観光客がなかなか集まらないためだ。

ガイドはKABAちゃんを老け顔にした感じの女性だった。それで彼女をKABAと呼ぶことにした。初めての海外旅行で手間取った港町出身の老人2人組がやって来たのは予定集合時刻の2時間後。相当頭に血が上っていたKABAは早く大型バスに乗るように急かした。

車内でまずガイドが自己紹介をしてから「これまでに台湾に来たことのある人!正直に手をあげて下さい」と話しかけた。ツアー客およそ30人のうち私を含めた数人が名乗りをあげた。「何回目ですか?」と馴れ馴れしく尋ねるのでぶっきらぼうに「今回で2度目だ」と答えて窓の方に首を向けた。

小うるさいガイドの話をすべて聞き流し、雨で霞む思い出深い台北の街をぼんやりと眺めた。私が初めて台北の地を踏んだのは1995年、東京の地下鉄でサリン事件が発生する数日前のことである。

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台湾への旅(その3)

2009年06月13日 | 

モニターの天気予報でも台北は雨マークが出ていた。

「間違いなく雨だわ。持ってきた傘が早速役に立つ。ははは‥‥」

私の独り言に後ろの老人が「ほんまよな~」と相槌を打った。

悪天候のせいで台北到着はほぼ1時間遅れた。激しい雨が窓ガラスに打ちつけ視界はすこぶる悪い。

入国チェックを済ませた私は真っ先に日本円をNT$(ニュー台湾ドル)に換金する窓口に向かった。これが最も有利なレートと知らぬツアー客は台湾人ガイドの待つ場所に急いでいた。

財布から5万円を取り出し、ドランクドラゴンの塚地に似たオヤジに渡した。無表情のオヤジは所定の紙に金額を記入するように指をさした。

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台湾への旅(その2)

2009年06月12日 | 

私は極軽装備で旅に出た。小遣いにパスポート、スケジュール表、着替え、カメラ、髭剃り器、折り畳み傘。そして新たに購入した台北のガイドブック。

手提げかばん一個に楽々と収まった。格好はもちろん普段着である。足りないものは現地で買えと友人がアドバイスしてくれたからだ。

キャビンアテンダントが下手糞な日本語で昼食を選んでくれと言う。iPodのヘッドフォンを外し「ピラフと鶏肉のソテー」を受け取り、白ワインを貰った。

機内食は昔に比べると随分おいしくなっている。お菓子にもみじ饅頭がつくところはベタな気もするが、甘いものは大好きである。ぺろりと平らげて再びイーグルスの「Take It Easy」を聴き始めた。飛行機は灰色の雲の上を飛んでいた。私は舌打ちして顔を曇らせた。

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台湾への旅(その1)

2009年06月12日 | 

大量のスパムメールがゴミ箱に移される中、古い友人から近況報告が届いていた。苦いコーヒーを飲みながら彼と異国で再会した時のことを懐かしく回想したのである。

2007年、私は台湾へ渡航するため三原市本郷町の広島空港に向かった。空港があまりにも辺鄙な所にあるのが癪に障った。空港では旅行代理店の簡単な説明があったが、無視して搭乗手続きを済ませてフライトを待った。

2時間後、上空から下界がきれいに見えた。離陸時の緊張が解れて冗談を言う元気が出ていた。

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「別人写真」報道で謝罪

2009年06月11日 | 日記
某テレビ局が報道した北の後継者の写真。これがまったくの別人である可能性が高いとして一応謝罪した。「アホか!」と言って王子様が苦笑したかどうかは知らないが、勝手に自分の写真を使われた韓国人男性は腹立たしげである。

「きちんと裏をとる」のが報道の基本。原点で躓いたことをまず大いに反省すべきところをウダウダと回りくどい言い訳を始めた。昔の日本人が持っていた「潔さ」はどこへ行ってしまったのだろうか。私は呆れ顔で引き抜いた鼻毛を吹き飛ばした(笑)

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ねっとりとした食感の鶏レバー煮

2009年06月11日 | 食材

鶏レバーは食べやすい大きさに切って水に浸け血抜きをする。一度湯でこぼして水の中で揉み洗いすると臭みはかなり抜ける。モツは新鮮なものを入手し、下処理を丁寧に行うことが料理の味を決めると言ってもよい。

処理を済ませた鶏レバー(心臓を含む)を砂糖と酒を加えた出汁で煮る。途中生姜と醤油を追加し味を決める。あまり煮過ぎずにやわらかく仕上げるのがポイントか。煮汁に浸したまま冷蔵庫に入れておけば味が染み込む。

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長いスピーチは甚だ迷惑

2009年06月10日 | 日記
結婚式や開会式などで居眠りを誘うような長いスピーチには閉口する。更に話し手が自己陶酔して周りの迷惑に全然気づいていないのが悲しい。要点をまとめるとおそらく5分以内で終わるはずであるが、単に自己表現の場が欲しいのだろう。

大学時代の友達はこんな言葉を残している。

「スピーチの上手さで大体頭のレベルがわかる。馬鹿垂れに限ってやたら話が長いし、くどい(笑)。文章でも同じことが言えるよな」

これまで様々な人間の言動を見てきたが、友人の発言は見事に核心をついていた。

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キュウリにはトゲがあるのをご存知か?

2009年06月10日 | 食材

子どもの頃、畑のキュウリを握り締めて血を出したことがある。新鮮なキュウリにトゲがあることを知らなかったのだ。

鳥などの外敵から身を守るためにトゲを持つらしい。そう言えばバラの花やハリセンボン(魚)も似たようなことをしている。

私は派手で暑苦しいバラが大嫌いだが(笑)、見た目が涼しげなキュウリは好物である。たわしでトゲを落として塩を振って丸かじりすることが多い。キュウリはまた炒めても美味しい食材である。

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中国地方が梅雨入り

2009年06月09日 | 日記
本日、中国地方が梅雨入りしたと発表があった。これからしばらくは鬱陶しい天候になるが雨が降らねば多くの人間が困ることになる。明日から明後日にかけて早速傘が必要になりそうだ。

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少雨による悪影響

2009年06月09日 | 日記
少雨が産業に与える影響をニュースで見た。水量不足で田植えができない農家、江の川で鮎がほとんど獲れないと嘆く漁師。水かさが減って藻が大繁殖している様子は深刻だった。

水不足は様々な分野に悪影響を及ぼす。いくら科学技術が進歩しようとも我々人間は大自然に逆らうことはできない。愚かな現代人はそんな当たり前のことすら忘れて生活しているのだ(笑)

水のおかげで生命体が進化したことを忘れてはならないのである。

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蛍が飛び交う光景

2009年06月08日 | 学生時代
私が初めて蛍を見たのは二十歳を過ぎてからであった。自然が豊かという以外に何の取り柄もない田舎町(東広島市西条町)に移り住んで八ヶ月が経過した頃の話である。

日が落ちて納屋から少し離れたところにある風呂場で時折光る物体を見つけた。飛んで来た蛍を手の平にのせて遊び、「きれいなものだな」と感動したのをよく覚えている。

今でも蛍が生息しているのかは知らないが、あの美しい光景は子どもに見せてやりたいと思う。

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