THE FOURTH PARTY

チョイ毒エッセイのようなもの。コメント欄でのやりとりはしません。用事がある人のみ書き込んでくだされ。

続・俺は何屋だ。前編

2007-07-18 19:17:26 | カスタム

二回目の入院である。
サーキットにて転倒してダメージを受けたVTR1000。前回はフレームのクラックを溶接した。今回はミャフリャーの修理。
結構なスピードで左に転倒して、横倒しのまま滑ってスポンジバリヤに激突という経緯であるので、ダメージは左側に集中している・・・というよりも、左側は一通りやっちゃった状態だ。
既にサイレンサーはオーナー自身の手によって、お世辞にも美しいとは言い難い補修が成されている。

Epsn3653

俺のバイクであるならば即刻不合格の烙印を押されるところだが、まあ見なかった事にしよう。

実際にはこの状態でも走行は可能だが、前回の修理時に俺が冗談半分で要求したビール(サントリープレミアム箱詰め)と焼酎(吉四六ではなかったが一升瓶)を戴いてしまったので、さすがに申し訳なくなってマフラー修理をこちらから買って出たのである。上手くすればまたサントリープレミアムと焼酎一升瓶を入手可能という腹があるかどうかについては沈黙しよう。どの道俺にゃ一週間も持たない量の酒なのである。
蛇足ではあるが、「この状態でも走行は可能」というのはあくまで物理的な話である。俺はボロいバイクを極端に嫌う性分で、オフロード走るのは止めたほうがイイという話すらある位。そんな俺にとっては、このVTRは不動車というグループにカテゴライズされる事となる。(スミマセン)

さて、件のマフラーは、転倒によってベッコリ凹みつつ地面を滑り、本来曲面であるべき箇所にかなり広い平面部分を作っている。

Epsn3625

VTR1000はV型2気筒である。エグゾースト関連は全て社外品(Powered by Auctionと思われる)に替えられているが、完全に寄せ集めフルエグゾーストである。フロントとリヤの各バンクから出たエキパイは、一旦リヤタイヤの直前で集合し、また2つのサイレンサーに向かって分かれる2in1in2構造。集合部分は車体右側にあり、左側センターパイプはスイングアームの下、リヤタイヤの前を通って左側に振られてからサイレンサーに入る。
左サイレンサーは右サイレンサーと比べて何故かグイッと前に押された状態(真後ろから蹴飛ばされたような状態)になってしまっており、さらに真後ろから見るとNSR250風に排気口の高さ位置が違う。
それとサイドスタンドを跳ね上げるとスイングアーム下を通る中間パイプにコツンと当たってしまう。フレーム修理の時にはしっかり確認しなかったので甘く見ていたが、どうもコレは潰れたセンターパイプ部分を切って入れ替えてオワリというワケにはいきそうに無いぞ・・・。

まずは何処が変形しているのかをジックリと検証。サイレンサーバンドとサイレンサー本体の位置関係をスケールで測るが、その曲がりっぷりの割りに左右で数値的にはあまり差が無い。
どうもコレはシートレールが曲がっている様だ。確かに後ろから見ると左が下がっている。

Epsn3633

だが、不思議と目視ではメチャクチャというほどでもない。差金で測るとかなりひん曲がっているところを見ると、もしかしてメインフレームごと逝ってるのか・・・?(ボソッ)
シートレールは長目のパイプを梃子に使い、ヒーヒー言わせて修正。

Epsn3634

何でもかんでもバーナーで炙る人がいるが、俺はあまり好きじゃないなあ。勿論モノの程度にもよるんだが。ジワーっと力を掛けるのではなく、ハッ!!とある程度一気にやるのが良いかと思う。

さて、今回最大の問題となったのは、42.7φ-1.2tのステンレスパイプの入手。いや、別に材料屋さんに注文すれば普通に仕入れはできるのだが、それだと少なくとも4m物を丸々一本買わなければならない。多分切り売りも対応してもらえるとは思うが、他に頼むものもないのに50cmだけ買うのもねえ・・・。
仕事では殆ど丸パイプを使わない。使うとしても101.6φの3tとかの支柱に使うような物。またはもっと小さいサイズ。当然端材の在庫もない。こんな半端なサイズの肉薄なんて、考えてみてもマフラー以外には使わんな、という感じ。
が、ちょっと思うところあって同業の友人に聞いてみた。
「ヨンニーナナの1.2の端材、持ってない?」
「400番(表面の研磨仕上げの番手)でいいか?」

オオ!!

俺と同い年の彼は昔、俺と同じくハチロクに乗りつつ結構イジっていたのだが、最近は釣りオンリー。チタンの釣り道具を自作したりしている。仕事では事実上ライバル(直接戦っているワケではないが)で、趣味も俺と同一線上にある。親父さんと奥さんと弟で仕事しているので文句のぶつけようもないからであろうか、いつも俺が「帰ろうかなー」と思っている頃に我社に遊びに来て1~2時間ほど居座る。まあいいけど(爆)。

Epsn3627

結局この端材はタダで貰ってしまった。ちなみにこういう場合にハナっからタダで貰おうとする人がいるが、それは絶対にマナー違反だと思う。逆にこういうのを高値で売ろうとする人もいる(爆)。まあ基本は売り買いするべしと思うが、あんまり酷いとちょっと考えるなあ。難しいもんです。

シートレールの曲がりを修正して、サイレンサーを正規の位置および角度にセットしてみる。

Epsn3648

Epsn3649

とりあえず左側中間パイプの凹んだ部分を入れ替える為に切り落とす。

Epsn3639

写真の一番左の物が集合部分に接合するので、仮に差し込んでみると・・・。

Epsn3651

写真では判り難いと思うが、有り得ない角度なのだ。この各所を採寸したりして検討すると、どうも左側中間パイプは全体に曲がってしまっているようだ。
んで、さらに切断。切り落とした部分を新たに作るのだが、XRのマフラーを作ったときの経験からして42.7φの1.2tは俺には曲げられねえ・・・。しかもかなりの角度に曲げなければならない。パイプもずいぶん短いので力も掛け難いだろう。じゃあどうするか?
エビ管を作ります。

続く。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする