負けました一刺しならば藪蚊殿
蚊に負けて昼の日中に返す道
蚊はおらぬダニ恐ろしきすすき原
ツツガムシうわさ聞かぬも恐しわれ
知る人もなきツツガムシ菜の原
負けました一刺しならば藪蚊殿
蚊に負けて昼の日中に返す道
蚊はおらぬダニ恐ろしきすすき原
ツツガムシうわさ聞かぬも恐しわれ
知る人もなきツツガムシ菜の原
草刈りに向かう途中、栗の木の下に立ち寄ってみた。放任樹ではあるが毎年大きな実を落としてくれる樹だ。
けれど大抵は猪が先にご馳走になっていて、夜が明けてから落ちた栗しか拾えないのが恒例なのだ。
しかし今年は猪もご馳走には預かれない年の様だ。イガは茶色く変色して落ちている物ばかりだった。中身はシイナか有っても未熟果ばかり。
仕方がないからそばにあるトチの実を拾った。トチの実は栗ほど悪影響を受けていない。猪も栗は食べてもトチの実は残してある。トチ餅を作れるほど量はないし、量は取れても渋抜きの手間をかける情熱は無い。
土に埋めて発芽させ植樹する苗木を作るのだが、四年前に植えた実は、まだ3尺に届かない。着果するまでには30年かかるとのことだから着果を見る可能性はゼロだ。山野とのかかわり方は「爺が植え、子が育てて孫が伐る」、そんな尺度なのが実感できる。本来は「植える馬鹿、育てる馬鹿に伐る馬鹿」なんだが、もってその通り…。