「どうしてここに?」と思わざるを得なかった。二階の寝室の窓ガラスにカゲロウの脱皮の殻があったからだ。それも室内側だ。
体長は15mm程度、尾は二本だから絞り込むことは出来たが、断定するまでは無理だ。図鑑と照合して、数字的に合致したのは「ユミモンヒラタカゲロウ」だが、それで正しいという根拠はない。
バッタ類のように不完全変態なのかは知らないが、水中で幼虫の時期を過ごし、水面で羽化すると理解していただけに、なんとも奇妙な脱皮した殻である。
自分なりの推定は「羽化した後、もう一度脱皮した」と考えたのだが、羽根が伸び切っての後、脱皮するなんてことは物理的に無理だろうから、やっぱり「???」のままの脱皮痕である。
そういえば、子ども時代に生家の電灯の笠に「ウドンゲ」と呼んだクサカゲロウの卵をよく見たものだが、密閉度の高い住宅の時代になってからは、室内で昆虫の卵を見る事も無くなった。