専用殺虫剤2本を携行して17時に現場到着、日没は17時20分だ。山間だから既に影にな っていて日没したような雰囲気だった。少し観察していてもオオスズメバチの出入りはなかったから、全員帰巣して残業無し、と思ったのがお門違い。
巣の方向と思しき隙間に45秒間、薬液の出なくなるまで噴射して、おもむろに覆いかぶさっている蔓草を取り除き始めた頃に外出中の大蜂が帰巣し始めたのだ。時間的には日没ではないから、気の急いた小生の不覚である。
巣の中からは一匹も飛び出してこない。これで巣内は全滅と思ったのは早計だった。帰巣した蜂が巣に入ろうと着地した瞬間を「プッ、プッ」とスプレーで狙い撃ち、三々五々の帰巣だから12匹だったが20分くらいは要したはずだ。これでボンベ2本を消費、締めて3960円也。単価は一匹330円。
大顎での「カチカチ」と聞こえる威嚇音は無かったが、着地するまでは小生の周囲を飛び回り、手袋に降りる個体もいた。薬液を噴射して落ちた蜂はピンセットでペットボトルの中に収納する。一旦、地に落ちても茎に這い登り飛翔する個体もいるし、ピンセットで掴み損ねると、すばやく伝って手のほうまで登って来る個体もいたりして(これは素早い)、結構緊張を強いられた。
飛翔してくる個体がなくなったから、巣を露出させようと集積された古竹を造林鎌で引き折って崩し始めたのだが、巣が見えない。この頃になると足元も見えにくい暗さになったが、巣が見えていないのは理解できた。殺虫剤2本は全く巣に届かなかった可能性が大だ。
尚も崩していくと、出てくる、出てくるオオスズメバチが飛び出してきた。背景との対比で個体が判るのだが、数が増える一方だった。ざっと見積もっても数十匹は飛び出してきた。造林鎌の柄が長いタイプで2m弱だったから、直接周囲を囲まれた状態ではなかったが黒い影と羽音はテレビゲームの比では無い、体当たりしてくる個体もあって、臨場感と緊迫感の溢れた、紛れも無い3Dだ。
薬液も無いし、暗くて見えなくなったから退散としたが、完全装備だったから、50分ほどの時間で汗ビッショリになった。終了は17時50分過ぎ。降雨でなければ明日が正念場だ!。