猪の括り罠を確認に行った途中に、白い大型のキノコがあった。どうもシロオニタケの類の様だが、白さと大きさ、それに表面のイボイボに魅力がある。剥がれ落ちた表皮にはイボイボが残っているが、これは幼態の時、本体を包んでいた膜の名残だろう。笠の縁にも千切れ痕が残っている。
裏のヒダを覗くと綺麗に折り重なって閉まっていた。トランプを床に並べた時の感じである。この手のキノコは食べようなんて思わないけれど、姿かたちに引かれて寄り道してしまうのだ。昼間ではあるが、白粉で化粧した色香のなせる技であろうか…。
黄泉路への童の頭つつむ母胸に抱けねど中にて生きよ
身を尽くしやり尽したる想いかな寄り添う家族うなづく彼も
担当であれば同僚と箸合わす一期一会を何処にぶつけん
名簿読む身罷りし子ら数多ありこの手に職のこの手の職は