原にツクシが伸びていた。「もしや?」と思って秘密の場所まで出向いたら花穂が出ていたのだ。日あたりの良い場所のツクシ、多少日陰で乾燥していない場所のショウジョウバカマ、この花穂は桜の開花より春を実感する。カタクリも欲しいのだが自生種はないのだ。
ショウジョウバカマの群落は、すぐ近くにあるが10年前と比較すると三割程度まで衰退してしまった。いわずと知れた盗掘が原因だが、撮影するだけ見物するだけの踏み荒らしも馬鹿には出来ない。植物が生えない通路が出来ているのだから。間伐材が傍にあるから木道を作ったらよいのだが、そういう手間は考えないようだ。我々は勢力範囲外だし…。
秘密の場所は畳み一枚ほどだけど、株数は少しずつ増えているのがうれしい。一般的には桜が代表されるし、自生の山桜は周囲にあるけれど、園芸種の早咲きが流行りだから「春が来た」との実感は薄いのだ。やはり野生種の動植物に教えてもらう時が実感の時である。