送水管の敷設までは至らなかった。地中に竹や木の根が入り組んでいて唐鍬が入り難い、入っても土を起こし難いのだ。根の一本一本を鋸で切り取りながら溝を作らねばならなかったためである。
竹は黒竹なのだが、根茎まで黒色だったのには恐れいった。かの落語家は「腹が黒い」と自称他称でかまびすしいが、顔も結構黒い時がある。黒竹は年中黒いのだけれども…。黒竹を「六代目」と呼び、かの落語家は「黒竹師匠」でもいいか、なんて妄想しつつの作業だった。
まあ、土堀りが延々と続いていて体力朦朧気味だから、阿呆な事でも考えていないとやりきれない。斜面を下降させながら横切る溝の掘り上げは、足場が無いから孟宗竹の長いのを一本寝かせて足場代わりにした。結局、水を通して水路の傾斜を修正しながら本日はおしまい。