沢で地盤が浸食された部分の杉は「風前の灯」状態だ。一月も林内の大杉が一本倒れたばかりである。ここも根回りの半分は流失して残り半分でかろうじて立っている。
根を張っている表土の厚さは50cm未満、その下は粘板岩か頁岩のような水を通さない、根も通さない層である。このような状態の杉やヒノキはまだ多いのだが、遊歩道に傾いているから安全のために、除伐の必要はあるのだろうが、樹高や直径、掛かり木の心配などから、素人にはかなり危険な条件になる。
何よりも足場が悪い場所ばかりで、バランスを崩せば谷に転がり落ちるだけ、ましてや肋骨骨折したばかりでは手を出すわけにはいかない。「手を出せば自分の身、出さねば他人の身」、危険な要素は早めに処理するのが鉄則とは言え、そうも行かないのが浮世である。