トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

未だ産卵管が出てこない群れ・・・

2021-08-01 | 小父のお隣さん
 庭の池で飼育中のタナゴ、昨年は魚体が小さかったので成熟産卵とならなかったのは理解できても今期も産卵管が無いのは理解に苦しむ。既に満2歳魚に達しているはずなのだがオスは婚姻色で飾っているがメスは全くの幼子風のままで、オスに比較すると魚体の小さいのが目立つ。個体差はあるにしても理由が分からないが、もしかしたら不妊体かもの憶測も生まれる。

 これには理由が無い訳ではなく採集された場所が場所だけに「考えられる」のだった。田んぼの用水路で土砂だまりの中にいた群れなので死なないまでも除草剤や近年、その広範囲の有害性が指摘されているネオニコチノイド系殺虫剤など強力な農薬に常時晒されていたはずで、これが原因ではなかろうかと思えてきたのだ。特にネオニコチノイド系殺虫剤は水溶性が高いと言われているしミツバチの減少の元凶ではないかとも言われている薬剤なので、ブランド米産地・水田用水路で生存していた個体に影響が無かろうはずがない。
 用水路の一画には二枚貝の生存は無いと言う環境だから繁殖を繰り返せる場所ではないので大方、繁殖場所から流下したか遡上した群れのはずで、ゆえに繁殖場所での汚染は少なかったのだろう。飼育下で2シーズンとも婚姻色は見せても産卵管が見えない魚群では二枚貝が健康でも稚魚は絶望である。

 既に八月に入っては産卵可能性は零とみなさなくてはならないだろう。昨夏ほどの猛暑ではないから水温は二枚貝では限界ギリギリの28℃当たりの推移だから避暑への対応も余裕があるのだが、産卵母貝とならない環境下では池に置くより山の池に避暑に出した方が肥培を伴う健康体で夏越出来るはずだ。一旦、池に入り生簀設置点の確認をせねばなるまい。
 どちらにしても今期の稚魚確保は絶望的で、不妊群なら来季も繁殖は望めない。無理だと思いつつ成魚なので「不妊治療」も実施したくなるものの、妊娠生殖不適齢期になってしまった高齢者には身につまされる魚群であるわい。