澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

「海角七号 君想う、国境の南」

2009年12月20日 18時11分17秒 | 音楽・映画

台湾映画史上ナンバーワン・ヒットとなった「海角七号」(Cape No.7)は、12月26日、日本で初ロードショー公開される。
日本と台湾の歴史的絆を思い起こさせ、現代の日台のラブストーリーを描くこの映画は、中国の無言の圧力とそれに連動した主要マスコミの及び腰によって、長らく公開を待たねばならなかった。

先日、NHK・TVで中孝介が「野バラ」を歌った。シューベルトの「野バラ」は、この映画の主要なモチーフとなっていて、それを歌った中孝介が出演したのだから、当然、この「海角七号」に触れるのかと思ったら、NHKのアナウンサーは中孝介がそのことに触れるのを許さなかった。その模様は、次の映像で確認していただきたい。
 http://www.youtube.com/watch?v=KZhKJvRFuAM&feature=channe

l このように、NHKは中国政府を恐れて、台湾に触れることを極力避けている。他の新聞社、TV局も、フジ産経グループを除けば似たようなものだ。マスコミがこの映画について触れようとしないので、いくらいい映画であってもヒットするのは難しいのではないかと思っていた。
ところが、徳間書店が「海角七号 君想う、国境の南」という単行本を出版した魏徳聖監督の原作をベースに藍弋豊が小説化している。上述の中孝介が特別寄稿をして、ノンフィクション作家の平野久美子が解説を書いている。

今や中国に飲み込まれようとしているかのような台湾だが、若い世代の間でも親日感情は強い。これは、李登輝時代以降の台湾化教育のおかげであるとともに、日本統治時代の実績が評価されていることを示すものである。この映画を見れば、「中国はひとつ」(=台湾は中国のもの)、「日本の植民地統治は悪だった」というステレオタイプの見方がいかに間違っているか了解するだろう。映画と共に単行本が出版されたことは喜ばしい。
映画のヒットに繋がることを願わずにはいられない。

海角七号 君想う、国境の南
魏徳聖,藍弋豊
徳間書店

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