かつて三島由紀夫が主宰する「楯の会」の一員であり、今は会社経営をする井上豊夫氏のブログより引用。「侵略を許した側の責任」という刺激的なタイトルだが、傾聴すべき点はある。
井上豊夫の日々雑感~『商社マンの独り言』~
http://www.shigemitsu-shoji.co.jp/
今週の話題「侵略を許した側の責任」2010年9月3日
日韓併合100年に当たるとして菅首相は首相談話を発表し、韓国を併合した事
を反省し、韓国民に詫びる姿勢を示しました。内容的には先の「村山談話」を
ほぼ踏襲したとは言え,事ある毎に「詫び状」を公表する日本国政府に疑問を
感じます。欧米諸国のアジア、アフリカでの植民地政策は植民地からの「搾取」
が基本であり、植民地の一部エリートのみに教育を施し一般大衆は無知のまま
にして長期支配をもくろむのが常識でしたが、日本の朝鮮及び台湾支配は全く
違い,「搾取」するどころか、日本国民が納めた税金を大量に朝鮮及び台湾に注
ぎ込み、学校や病院施設、社会インフラを充実させ、一般大衆に教育を施す事
が基本でした。
ここでは朝鮮、台湾支配の「功」と「罪」についてこれ以上論ずるつもりは
ありません。「侵略」,「被侵略」の歴史を振り返る場合大切なのは「侵略者」の
「罪」を取り上げる場合が圧倒的に多いようですが「被侵略者」の「罪」をも
っと論ずるべきだと考えます。記憶に新しい所では1990年8月2日フセインの
イラクは隣国クウェートを一方的に侵略し、後に湾岸戦争となったわけですが
国際世論は侵略者イラクを非難しましたが、小職はイラクを非難する前に国境
を接する隣国イラクがどのような国であり、どれだけの戦力を持っているかは
自明のことであり、通常時から最低限の「国防力」を備えるべきだったと思い
ます。クウェートは巨万の富に恵まれ、戦車の数より圧倒的に多い夥しい「ロ
ールスロイス」が走り回り、「国防」を忘れ、快楽を享受していた「クウェート」
に責任はなかったのでしょうか?
明治維新で日本は独立を守り通しましたが、これも簡単にできた事ではなく
日本国を植民地化しようと入ってきた英国、フランス、米国などの思惑を先に
一部植民地になった中国清国のアヘン戦争などの顛末を清国の魏源が書いた
「海国図志」を読んだ明治維新の志士たちは欧米諸国の本音を読み取り必死に
独立を守ったのでした。勿論その根底にはどの国でも「日本を侵略したら生か
しておかない」という強い信念があったお陰で日本国は独立を維持できたので
す。もしクウェートに明治維新の志士たちの気持ちがあれば湾岸戦争は防げた
と思います。平和主義者、偽善者たちは武力を持つから戦争が始まるとおっし
ゃいますが現実にはクウェートのように無防備であったが故に「戦争」は起き
るものなのです。「日韓併合」にしてももし朝鮮が日本が入ってきたら「生かし
ておかない」という気持ちと「国防力」を持っていたら「日韓併合」は生じな
かったと思います。現実の歴史を見ればもし日本が朝鮮を併合しなければロシ
アによる「露韓併合」が起きていたことは明らかです。一番大切なことは小国
と言えども自国を自分で守る気概と国防力を準備する事だと思います。折角明
治維新の志士の努力で守った「日本国の独立」ですが現状は半ば米国の「植民
地」となり下がり、自国を自分で守る気概さえもどこかに置き忘れてきたよう
です。 (文責 井上 豊夫)