澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

尖閣事件を座視する馬英九政権

2010年09月24日 01時48分33秒 | 台湾

 尖閣諸島での中国漁船衝突事件は、媚中が顕著だった日本のマスメディアにもある種の警戒感を与えたようだ。 中国が「法治国家」ではなく「人治国家」であることはよく知られているが、国際社会においても国際法・国際秩序を守る意思など全くないことを今回の事件は示した。さすがに、「尖閣諸島は中国の領土」だとする日本のマスメディアは皆無だが、中国人観光客が減少して大変だとか大騒ぎして、間接的には日本政府に「譲歩」を促すかのような報道も見られる。だが、尖閣諸島は疑いもなく日本領土。「我が国の領土だ」と当然の主張をするのを、「過剰なナショナリズムを煽ることなく」(仙石官房長官)などとたしなめる政府高官もいるのだから、この国は救いがたいという気もする。

 一方、今や中国に併呑されかねない状況にある台湾では、尖閣諸島に対する馬英九政権の姿勢が問われているようだ。中国国民党独裁下の中華民国では、大陸の中華人民共和国が「尖閣諸島(魚釣島)は中国(=中華人民共和国)の領土」と宣言するのに呼応して、全く同様の宣言を行った。「尖閣諸島(魚釣島)は中国(=中華民国)の領土」というわけだ。
 およそ20年前、李登輝総統が登場して、台湾は完全な民主主義国家に生まれ変わった。その李登輝総統は、「尖閣諸島は日本領土」だと明言している。 

 今回の事件で、中台交流を進める馬英九政権は、中国側に何の抗議もしていない。尖閣諸島が中華民国(台湾)の領土だとするならば、その領海を侵犯した中国に何故抗議しないのかという疑問が生じる。国際法の論理からは、当然の帰結だろう。

 以下は「台湾の声」から引用させていただく。

 

【可笑しい】中国には「保釣」しない馬政権に日本人記者が反発

     台湾の声

 中国漁船が尖閣諸島(中国名:釣魚台)に侵入し、日本の海上保安庁の巡視船
に衝突し、同漁船の中国人船長が日本側に逮捕された事件で、中国が日本政府に
船長の釈放を求め執拗に抗議し、日中関係が悪化している。

 台湾の「中華民国」政府も、尖閣諸島の領有権を主張しているので、台湾側か
らすれば、「釣魚台」は台湾宜蘭県頭城鎮に属し、台湾の領海に中国漁船が侵入
したということになる。ところが、台湾の馬英九政権は日本に対しては外交部(
外務省)を通じて「釣魚台は中華民国固有の領土である」などと抗議を表明した
が、侵入者である中国(中華人民共和国)に対しては何も抗議していない。

 9月20日付の「産経新聞」は、「聯合報」など台湾の国民党系2紙が「釣魚島
が中国領との点で両岸(中台)の利害は一致している」と、中台の対日共闘を呼
びかける識者の寄稿、論評を掲載していると指摘している。

 一方で、9月21日付の台湾紙「自由時報」は、日本人記者が馬政権に「尖閣は
日『中』二国間の問題なのか、日本と『中華民国』(台湾)と『中華人民共和国
』の三国間問題なのか?」と迫ったのも無理はないと伝えている。外国(中国)
の船に侵入されても抗議しない馬英九政権に、台湾で取材にあたる日本人記者も
台湾の「保釣」(釣魚台主権保護)や中国から台湾の国家主権を守る意志に対す
る胡散臭さを感じているようだ。